「原発性アルドステロン症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「原発性アルドステロン症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

原発性アルドステロン症の治療

原発性アルドステロン症を無治療のまま放置していると、脳卒中や心筋梗塞などの高血圧によって誘発される重大な病気に進展することがあります (参考文献 1) 。
原発性アルドステロン症の場合には高血圧に対する対症療法のみでは不十分で、原発性アルドステロン症に対する根本的な治療をすることが、重大疾患の発症を防ぐために重要であるとされています (参考文献 1) 。
左右の副腎のうち片方に原因がある場合には手術療法が、両方に問題がある場合にはアルドステロンの作用を弱める薬での治療をすることが一般的です (参考文献 1, 3) 。
副腎はアルドステロンのみならず、生命維持に必要不可欠なホルモンの多くを作る重要な臓器なので、両方に原因がある場合には「両方とってしまおう!」ということにはならないのです。
片側のみの場合にも手術を希望されない方は薬物療法を中心に考えていくこともできますが、手術を選択した場合よりも注意深い経過観察が必要となる場合があります (参考文献 1) 。

原発性アルドステロン症になりやすい人・予防の方法

原発性アルドステロン症の患者酸の一部は遺伝要素が絡んでいることが知られていて、家族性高アルドステロン症ともよばれています。家族性高アルドステロン症は原発性アルドステロン症と診断された人のうち、①20歳未満での発症②若年発症の高血圧や、血縁者に原発性アルドステロン症患者がいることが分かっている③本人や血縁者が40歳未満で脳卒中なったことがある④重度の副腎過形成があるといった特徴がある方で疑われます (参考文献 4) 。
これを考えると、若いうちから血圧が高かったり脳卒中になっていたりする人、またはそのような人と血縁関係にある人は、原発性アルドステロン症の症状が将来出てくる可能性が比較的高いといえるでしょう。
原発性アルドステロン症の病態から考えると、「ならないための予防」よりは「重症化の予防」に目を向けるのがよいかもしれません。検診などで血圧が高いと指摘されたらしっかりと病院へ行き、血縁者に原発性アルドステロン症を疑わせるような既往がある人がいれば、担当の医師へ伝えましょう。早めに適切な診断・治療にたどり着くことが重要です。

参考文献

1.一般社団法人 日本内分泌学会. 一般の皆様へ 原発性アルドステロン症

2.UpToDate. Pathophysiology and clinical features of primary aldosteronism

3.一般社団法人 日本内分泌学会. 原発性アルドステロン症診療ガイドライン 2021

4.UpToDate. Familial hyperaldosteronism

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