「A型肝炎」の原因・症状はご存知ですか? なりやすい人の特徴を併せて解説

「A型肝炎」の原因・症状はご存知ですか? なりやすい人の特徴を併せて解説

A型肝炎の前兆や初期症状について

A型肝炎に感染した場合、成人では 70% で症状が出るとされています (参考文献 2) 。
症状が出る場合はA型肝炎ウイルス感染後2〜6週間の潜伏期間の後、発熱や倦怠感、吐き気・嘔吐、腹痛といった風邪や胃腸炎のような症状で発症します (参考文献 1, 2) 。その後尿の色が濃くなる便が灰色になるといった異常が出現し、発症者の 40~70% で黄疸と皮膚の痒みが出現します (参考文献 2) 。
尿や便の色がおかしくなる症状や、白目や皮膚が黄色くなる黄疸は、「ビリルビン」という本来であれば肝臓で処理される物質が、肝機能の異常により正常に代謝されなくなった結果現れる症状です。

次のような経過をたどると考えれば分かりやすいかもしれません。

海外旅行好きなAさんは東南アジアやインドを回る2週間の旅に出発しました

現地の屋台で売っていた食べ物や飲み物を何も気にせずに摂取しました

旅を満喫したAさんは日本に帰国、そのときは健康状態に異状はありませんでした

帰国から2週間後、発熱や倦怠感、腹痛など、胃腸炎のような症状が出てきましたが、気にせず日常生活を送りました

尿や便の色がおかしくなったことに気が付きます

白目・まぶたの裏が黄色くなり、皮膚もなんだかいつもより黄色く、痒くなりました

さすがに恐くなり病院へ行くと、肝臓の数値が高く、詳しい検査の結果A型肝炎と診断されました

A型肝炎患者のほとんどは2カ月程度で回復するとされていますが、もともと肝疾患を患っている人は劇症肝炎という重篤な状態に陥ることがあります (参考文献 2) 。
海外渡航後などに怪しい症状がある人は近くの内科を受診しましょう。

A型肝炎の検査・診断

問診にて消化器症状が急に出てきたり、黄疸、海外渡航などのハイリスクな背景があることが分かればA型肝炎が疑われます (参考文献 2) 。
身体診察では、黄疸に加えて肝臓の腫大が症例の 80% で確認されるとされ (参考文献 2) 、診断のヒントになります。
診断のためには血液中のA型肝炎に関連する抗体 (IgM-HAV抗体) の測定をします (参考文献 1, 2) 。肝炎自体の検査としてはAST、ALT、ビリルビンなどの肝臓関連のマーカーを血液検査で測定します (参考文献 1, 2) 。

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