なぜ「糖尿病治療」で糖質制限をすべきかご存じですか? メリット・デメリットも医師が解説!

なぜ「糖尿病治療」で糖質制限をすべきかご存じですか? メリット・デメリットも医師が解説!

糖質制限のデメリットと注意点

編集部

反対にデメリットはあるのですか?

吉田先生

糖質制限食は、開始直後から血糖値に大きな変化がみられます。そのため、すでに糖尿病の治療として経口血糖降下剤やインスリン注射をしている場合には、急激に低血糖を起こすことがあるため注意が必要です。低血糖の症状としては、頭痛、強い眠気、めまい、だるさなどが挙げられます。その際は、医師による適切な指導が必要です。自己判断でおこなわないようにしましょう。

編集部

そのほかにも、デメリットはありますか?

吉田先生

そもそも、炭水化物は糖質と食物繊維の総称であり、糖質制限をおこなうと自然と炭水化物の摂取量を減らすことになります。そうなれば、糖質だけでなく食物繊維の摂取量も減ることになり、結果として便秘が起きることもあります。そのため、糖質制限をおこなっているときは意識して食物繊維を多く摂取する、また、水分を多めに摂ることに気をつけましょう。

編集部

糖質制限をおこなう際に、気をつけることはありますか?

吉田先生

急激な糖質制限では、体脂肪だけでなく、一時的に筋肉量が減ることがあります。これは肉体を維持するためのエネルギー源が、糖質から脂肪、タンパク質に移行するために起こる一時的な現象です。糖質制限を続けると、ほとんどの場合、数カ月で元の状態に戻ります。また、短期的に急激な糖質制限をおこなうと、普通食に戻したとき、一気にリバウンドして体重が増加してしまうこともあります。無理せず、ストレスを溜めない程度で中・長期的に糖質制限をおこなうことが重要です。必要に応じて医師や管理栄養士の指導を受けることをおすすめします。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉田先生

人間の体にとって、一番大切なのは精神的ストレスを減らすことだと思います。精神的ストレスが大きいと病気になりやすいこともわかっています。糖質制限もシビアにやり過ぎることで精神的ストレスになるなら、ある程度緩めるべきだと考えています。そもそも、糖質は麻薬と同じような依存性があり、一度摂取をやめると逆にこれまで以上に食べたい気持ちが強くなります。もし食べずにいることでストレスが強くなるようなら、ストレスにならない程度に、上手に少しずつ食べる方法を考えてみてください。どれくらいシビアに糖質制限をすべきかについては、個人の希望や病状、性格、ライフスタイルなどによって異なります。ストレスに感じない程度で、上手な糖質制限を心がけましょう。

編集部まとめ

糖質制限を継続していた人が、ストレスのあまり反動でお菓子やパンなどをドカ食いしてしまったという話を耳にします。そうしたことがないよう、上手にストレスと折り合いをつけながら継続することが大切とのことでした。医師や管理栄養士などの知恵を借りながら、うまく糖質をコントロールしていきましょう。

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