「亜急性甲状腺炎」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「亜急性甲状腺炎」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

亜急性甲状腺炎の前兆や初期症状について

亜急性甲状腺炎は、倦怠感や軽い発熱といった風邪のような症状に続いて起こることが多いです。その後、高熱や、首の前側の痛みが起こります。痛みは耳や下あごに広がることもあります。また、一時的に甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるため、動悸、体重減少、発汗、といった甲状腺中毒症状と呼ばれる症状が出ます。

甲状腺中毒症状は 1~2か月間 ほど続きますが、その後炎症は収まっていきます。多くの場合は治る過程で一時的に甲状腺機能低下症が起こった後、正常となります (参考文献 1) 。

亜急性甲状腺炎の検査・診断

亜急性甲状腺炎の診断は、症状、血液検査、甲状腺超音波検査が用いられます。診断基準としては、次のようになっています。

甲状腺の腫れがあり、痛みがある

血液検査で炎症を示す値 (CPR または赤沈) が高い・甲状腺ホルモン (T3, T4) が高い、かつ甲状腺刺激ホルモン (TSH) が低い

甲状腺超音波検査で痛みのある部位が黒っぽく見える(低エコー像)

上記の条件の中ですべて当てはまる場合は、亜急性甲状腺炎と診断される可能性が高いです。1 と 2 を満たす場合は亜急性甲状腺炎の疑いと考えられます。この診断基準を軸に、橋本病や癌などの疾患ではないことを確認しながら診断がつけられます (参考文献 3) 。

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