「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の前兆や初期症状について

溶連菌感染症では突然の発熱に加えて全身倦怠感、咽頭痛が現れます (参考文献 1) 。口蓋扁桃に白いゴミのようなもの (白苔) がついたり、口蓋垂 (のどちんこ) の前あたりにポツポツと小さな出血斑が見られたり、苺舌といって舌がイチゴのようになることがあります (参考文献 1) 。猩紅熱 (しょうこうねつ) では発熱後1~2日程度で体幹に赤いポツポツができたり、体幹が日焼けしたような見た目になったりして、腋の下や鼠径部は紙やすりのような感触になることがあります (参考文献 1)。

気になる症状があれば、お近くの小児科や内科を受診しましょう。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の検査・診断

咽頭炎自体は溶連菌のみならず、他のウイルスや細菌による症状である場合や、感染症による症状ではないこともあり、原因によって治療方針も異なってきます (参考文献 2) 。

A群溶連菌による咽頭炎は学童期の疾患のイメージをもたれることが多く、実際にこの年代に多いのですが、5歳から15歳の咽頭炎全体でA群溶連菌が原因のものの割合は 15~30% といわれています (参考文献 2)。

急性の咽頭炎の原因として最も多いものはウイルス感染症で、ウイルス感染症であると判断される場合には対症療法のみで様子をみることもあります (参考文献 2)。
「喉が痛くて病院にいったのだから、抗菌薬を出してもらえるだろう」と考えるかもしれませんが、菌とウイルスは全く違うので、ウイルス性の咽頭炎に抗菌薬を服用する意味は無いことに注意してください。

溶連菌による咽頭炎の診断に用いられる「センタースコア」には次のような項目があり、該当する項目が多いほど溶連菌感染症である可能性が高いことが知られています (参考文献 3)。その点数によって、溶連菌の検査・治療をしない、溶連菌の検査をして結果に応じて溶連菌に効く治療を始める、検査なしでも溶連菌への治療を開始するなどと、対応が変わってきます(参考文献 3) 。

発熱がある

咳がない

扁桃に滲出物が付着している、または腫れている

首の前のリンパ節が腫れていて痛い

溶連菌感染症の検査をする場合は喉の奥の咽頭を綿棒でこすり、迅速検査キットで抗原の有無を判定することが一般的です (参考文献 1)。血液検査で溶連菌関連のマーカーの数値を確認することもあります (参考文献 1) 。

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