「自律神経失調症」を発症したら「食べてはいけないもの」はご存知ですか?

「自律神経失調症」を発症したら「食べてはいけないもの」はご存知ですか?

自律神経失調症は、心や身体へ何らかのストレスがかかることで引き起こされます。決まった症状はなく、個人によってさまざまな症状があらわれるのが特徴です。また、治療期間にも個人差があり数ヵ月でよくなる方もいれば、数年〜10年かかる方もいます。

自律神経失調症の症状を改善するためにいくつかの方法がありますが、食事に気をつけることも効果的です。日々の生活で必要不可欠な食事だからこそ、見直すことで症状を改善できるかもしれません。

この記事では、自律神経失調症の症状の改善に期待できる栄養素や食事のポイントを解説していきます。また、控えたほうがいいものもご紹介していきますので、食事を通して症状の改善を目指している方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

自律神経失調症とは

自律神経失調症について教えてください。

自律神経は、緊張するような場面で働く交感神経と、リラックスするような場面で働く副交感神経の2つがあるといわれています。何らかのストレスが引き金となり、この2つがコントロールされないことによって引き起こされるのが自律神経失調症です。この自律神経失調症という病名は医学的に正式ではなく、広い定義として使用されています。これは、暫定的に自律神経失調症と診断することで、適切な処置を行い重症化することを避けられる可能性があるためです。ただし、自律神経失調症の診断には、身体に病気がなく明らかな精神症状がないことの確認が必要です。このような特徴がある自律神経失調症には、以下のような症状があります。

倦怠感

頭痛

動悸

発汗

息切れ

食欲不振

上記の症状はごく一部ですが、あらわれる症状は個人で異なるのが特徴です。時間が経つと症状が変わる方もいるため、病院で検査をしても原因がわからないといわれることも少なくありません。

発症する原因は何ですか?

自律神経失調症が発症する原因は、大きく3つに分けられます。

自律神経症状が起こりやすい体質

ストレス反応

精神症状

これらが混合して引き起こされていることもあるので、区別が難しいともいわれています。検査でも異常がみられないことがあり、診断には医師の丁寧な診察が必要となるでしょう。また、自律神経失調症の検査だけでなく、引き起こされている症状から別の身体疾患の可能性も考えて検査が行われます。

自律神経失調症で控えたほういいものと症状を改善できる栄養素や食事のポイント

自律神経失調症で控えたほうがいいものについて教えてください。

自律神経失調症で控えたほうがいいものとして、以下のものがあげられます。

炭水化物

砂糖を多く含むお菓子

これらは、血糖値の急激な変化が起こり自律神経が乱れる原因となる食べ物です。絶対に食べてはいけないわけではありませんが、過剰摂取に注意しましょう。これまでの食生活を見直し、バランスのとれた3食の食事を心がけることが大切です。

自律神経失調症の症状を改善できる栄養素には何がありますか?

自律神経失調症の改善に期待できる栄養素は以下のようなものがあげられます。

タンパク質

ビタミンA・B・C・E

バランスよく栄養を摂取することで自律神経をコントロールし症状を緩和してくれたり、全身の抵抗力を高めてくれたりする効果が期待できます。医師から食事の指導をされることもあるため、アドバイスを聞きながら治療を進めていきましょう。

自律神経失調症での食事のポイントはありますか?

自律神経失調症の食事のポイントとして、腸内環境を整えることが大切です。腸は第2の脳ともいわれており、脳がストレスを感じると自律神経によって腸に伝わります。緊張や不安なことがあるとお腹の調子が悪くなることがあるのもそのためです。腸内環境を整えることは、自律神経のバランスを整えることになります。そのためには、日々の食生活を見直すことがおすすめです。ヨーグルトやサプリメントなどを毎日摂り続けることで、自律神経失調症を改善する効果に期待できます。腸内環境は何を食べるかによってよい状態にも悪い状態にも変わります。腸内環境を整えるためにも一度日々の食事を見直してみましょう。

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