「STD(性感染症)」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「STD(性感染症)」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

STDの前兆や初期症状について

STDの症状は疾患によって異なります。

性器クラミジア感染症

男女ともに無症状もしくは軽症で経過します。男性の場合は、排尿時に軽い痛みを認めたり、尿道がかゆくなったりすることがあります。女性の場合は、おりものが少し増えたり月経痛のような痛みを伴ったりするほか、不正出血を認めることがあります。

淋菌感染症

男性の場合は、発症後すぐに熱っぽさや尿道のかゆみが現れ、尿道から黄色い膿が出ることがあります。女性は症状が現れにくい傾向があり、自覚症状が見られる場合は、尿道から膿が出たり黄緑色のおりものが出たりすることがあります。

梅毒

梅毒では、感染後時間の経過とともに症状が変化します。感染後の約1ヶ月間は、口腔や性器、肛門など梅毒トレポネーマが侵入した部位にしこりやできもの、ただれなどを認めますが数週間で消失します。

尖圭コンジローマ

外陰部や膣、肛門に小さく尖ったイボができ、複数できて集まると、カリフラワーのような見た目になることがあります。羅患してもイボができないケースもあります。通常、イボ以外の症状は見られにくいものの、性交痛や性器のかゆみなどを自覚することもあります。

性器ヘルペスウイルス感染症

性器ヘルペスウイルス感染症は、罹患後、免疫力の低下などを機に繰り返し症状が出現します。初めて感染した時が最も症状が重く、単純ヘルペスウイルスに感染後2日〜21日の潜伏期間を経て外陰部のかゆみや強い痛みが出現します。その後全身倦怠感や発熱、リンパ節の腫れなどを伴い、外陰部に小さな水疱が現れます。

HIV感染症

HIV感染症は感染後2〜4週間経過すると、筋肉痛や喉の痛み、発熱などのインフルエンザのような症状を認めることがありますが、無症状で経過するケースが多いです。その後、数年の潜伏期間を経て日和見感染などの症状が出現します。

性器カンジダ症

男性は無症状で経過することがありますが、なかには亀頭部に水疱ができたり赤くなったりすることもあります。女性は陰部に強いかゆみを認め、おりものがヨーグルト状になることがあり、性交痛や性器の熱感、痛みなどを伴うケースもあります。

トリコモナス症

男性は無症状で経過することが多く、症状を認める場合も排尿時の軽い痛みなどに留まります。女性は強い悪臭のする白色から黄色のおりものが大量に分泌されるほか、陰部の痛み、かゆみを認めることもあります。

STDの検査・診断

STDが疑われる場合には、性器の視診や血液検査、尿検査、膣分泌物を採取した検査などが行われます。

梅毒やHIV感染症、性器クラミジア感染症、淋菌感染症の検査は、保健所で受けることも可能です。検査できるSTDの種類は保健所によって異なるため問い合わせてみましょう。

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