聴神経腫瘍の治療
聴神経腫瘍の治療では、腫瘍の大きさや聴力低下の程度、年齢などを考慮して、ガンマナイフ治療か手術療法をおこないます。
聴神経腫瘍は1年で1mm程度以下しか大きくならないため、しばらく治療をおこなわずに経過観察することもあります。
ガンマナイフ治療
ガンマナイフ治療は、頭蓋骨を切開せず専用のヘルメットを装着して放射線を照射する非侵襲的な治療です。
主に直径3cm以下の腫瘍で適応され、腫瘍の増殖の抑制や停止を目的におこなわれるため、一度発症した聴力低下などの症状は改善できません。
治療後は時間の経過に伴って腫瘍が縮小していきますが、まれに再発する例もあります。
腫瘍が大きい場合、摘出手術をした後に、残った腫瘍に対して施行することもあります。
手術療法
聴神経腫瘍の摘出手術は、腫瘍が大きくてガンマナイフで治療できない場合や、命に関わる恐れがある場合に適応されます。
顔面神経を温存しやすい経迷路法や、内耳の機能を温存しやすい経中頭蓋窩法、Retrosigmoid 法(旧後頭蓋窩法)があり、症状の状態や年齢によって最適な方法を選択します。
摘出手術は症状の改善が目的ではないため、術前より聞こえが悪くなる可能性もあります。
聴神経腫瘍になりやすい人・予防の方法
聴神経腫瘍になりやすい人や予防の方法はわかっていません。
しかし、病態の悪化を防ぐには早期発見が重要になるため、定期的な聴力検査を受けましょう。
片耳の聴力低下やつまり感、耳鳴りが生じた場合も早めに耳鼻咽喉科に受診することが大切です。
関連する病気
感音難聴
突発性難聴
加齢性難聴
参考文献
一般社団法人日本ガンマナイフ学会主な適応疾患聴神経腫瘍
がん情報サービス脳腫瘍<成人>について
総説聴神経腫瘍
日本聴神経腫瘍研究会患者さんのためのQ&A
一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
一般社団法人日本聴覚医学会C-X-9. c5 ディップ
日本耳鼻咽喉科学会会報聴神経腫瘍の診断と治療
Equilibrium Res7.温度刺激検査
日本耳鼻咽喉科学会会報前庭誘発筋電位検査のコツ
配信: Medical DOC
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