「リウマチ熱」を発症しやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

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リウマチ熱の治療

リウマチ熱の治療は薬物療法が基本となります。関節痛や小舞踏病(しょうぶとうびょう)、心炎がある場合には、安静が必要となります。

抗菌薬

抗菌薬は、A群β溶血性レンサ球菌の増殖を防いだり殺したりする働きがあります。

非ステロイド系鎮痛薬

関節の痛みが強い場合には、炎症と痛みを抑えるために使用されます。

ステロイド薬

心臓の炎症がひどい場合に用いられます。検査結果が良くなり炎症が治っていることを確かめながら、徐々に薬の量を減らしていきます。

再発予防のための治療

リウマチ熱は再発しやすい病気です。
一度リウマチ熱を発症すると、20~50%は再発するといわれています。再発はA群β溶血性レンサ球菌の再感染によって起こります。

心臓に後遺症が残った場合は、再発するとさらに心臓の状態が悪くなります。そのためA群β溶血性レンサ球菌の再感染予防として、抗菌薬の予防投与をおこなうこともあります。

リウマチ熱になりやすい人・予防の方法

人口が密着している地域に住んでいる場合や保育園や学校などの集団生活をしている場合は感染症にかかるリスクが高まるため、リウマチ熱になりやすいと考えられます。
リウマチ熱は、原因となるA群β溶血性レンサ球菌咽頭炎の治療を確実に行うことで予防できます。そのとき重要になるのは、正しく抗生剤を飲むことです。

A群β溶血性レンサ球菌咽頭炎は薬を飲み始めると、数日でのどの痛みがやわらいできます。リウマチ熱発症を防ぐためには、処方された薬を確実に飲み切ることが重要です。処方薬を全て飲み切ることで、確実にA群β溶血性レンサ球菌を退治することができます。自己判断で薬の量を減らしたり、中止したりすることがないようにしましょう。

あわせて日頃からうがいや手洗い、マスクの着用など基本的な感染症予防に努めることが重要です。

関連する病気

A群β溶血性レンサ球菌咽頭炎

心臓弁膜症

心不全心内膜炎心筋炎心膜炎

小舞踏病(しょうぶとうびょう)

参考文献

中崎広隆ほか:小舞踏病を契機に診断されたリウマチ熱の1例. 日大医誌, 78(3), 143-146, 2019

大国真彦:リウマチ熱回想録. 小児リウマチ, 2(1), 3-4, 2010

大国真彦:7. リウマチ熱. 日本内科学会雑誌 創立100周年記念号, 91(9), 2671-2675, 2002

塩野淳子:小児循環器科医にとってのリウマチ熱. 日本小児循環器学会雑誌, 32(5), 429-431, 2016

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