「結節性硬化症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「結節性硬化症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

監修医師:
勝木 将人(医師)

2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.

結節性硬化症の概要

結節性硬化症はTSC1やTSC2という遺伝子の異常で起こる先天性疾患で、全身に過誤腫という良性の腫瘍が出現します。
発症率は非常にまれで、世界で診断されているのは数万人のうち1人ほどの割合です。
子どものころの知的発達の遅れや、繰り返すてんかん発作によって発見することが多いですが、妊娠中の胎児の超音波検査で心臓腫瘍が発見されたときに気づくこともあります。

結節性硬化症で見られる症状は年齢によって異なります。
新生児期に心横紋筋腫、乳幼児期に知的障害やてんかん発作、学童期に脳や腎臓の腫瘍、顔面血管線維腫、20〜40代の女性に肺リンパ脈管筋腫症などが起こることが特徴です。

症状の有無や程度には個人差がありますが、症状が命に関わることもあるため、定期的に受診し、対処療法で経過を見ていくことが重要です。
(出典:難病情報センター「結節性硬化症(指定難病158)」)

結節性硬化症の原因

両親のどちらかが結節性硬化症であったり、受精した精子や卵子の遺伝子が突然変異した場合は、結節性硬化症の子どもが産まれる可能性があります。
両親のどちらかが羅患している場合、産まれてくる子どもが結節性硬化症に羅患している確率は約50%です。

結節性硬化症の原因となるTSC1遺伝子やTSC2遺伝子は、通常、腫瘍の生成を抑えるハマルチンやチュベリンというタンパク質をつくっています。
結節性硬化症は、どちらかの遺伝子に変異がある場合に起こると考えられています。

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