結節性硬化症の前兆や初期症状について
結節性硬化症の初期症状は、胎児期や乳児期の心横紋筋腫や皮膚の白斑、てんかん発作などです。
てんかん発作は見られないケースも増えていますが、乳幼児期の点頭てんかんやそれ以降に起こる焦点意識減損発作は、重度の知的障害が残る可能性があります。
学童期以降は皮膚のこぶ(爪や腰、お腹など)や顔面血管線維腫が増え、巨大化することがあります。
腎臓の血管筋脂肪腫が破裂して大量出血したり、脳の上衣下巨細胞性星細胞腫(じょういかきょさいぼうせいせいさいぼうしゅ)によって周りの脳組織が圧迫されたりして、命の危険にさらされることもあります。
女性に起こる肺リンパ脈管筋腫では、病態が悪化すると呼吸不全につながりやすく、命を落とすケースもあります。
結節性硬化症の検査・診断
結節性硬化症は遺伝子検査や臨床診断基準によって診断されます。
TSC1遺伝子とTSC2遺伝子のどちらかに機能的な喪失変異があれば確定診断となりますが、症状がでていても遺伝子異常が検出できないケースもあります。
臨床診断基準は大症状と小症状の有無で判断され、一定数の項目が当てはまれば、結節性硬化症の可能性が高まります。
大症状
小症状
3つ以上の低色素斑(直径が5m以上)
顔面血管線維腫もしくは前額線維性局面
2つ以上の爪線維腫
シャングリンパッチ
多発性網膜過誤腫
金平糖様白斑
3つ以上の歯エナメル小窩
2つ以上の口腔内線維腫
網膜無色素斑
多発性腎嚢胞
皮質結節もしくは放射状大脳白質神経細胞移動線
2つ以上の上衣下結節
上衣下巨細胞性星細胞腫
心横紋筋腫
肺リンパ脈管筋腫症
2つ以上の血管筋脂肪腫
腎以外の過誤腫
骨硬化性病変
(出典:小児慢性特定疾病情報センター「16結節性硬化症」)
配信: Medical DOC