「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の治療

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の治療は、重症度や病期によって変わってきます。また、心臓や腎臓など、各臓器に重篤な症状が生じている場合は、臓器別の治療も必要です。

適切に治療を行うことで、6か月以内に90%以上の患者さんが寛解すると言われていますが寛解後も継続的な医療が必要になります。残りの10%は寛解はせず、症状は軽くなりますが、再発を繰り返します。
(出典:一般社団法人 日本循環器学会「血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版))

推奨されている治療は下記のとおりです。

プレドニゾロン

プレドニゾロンはステロイド系の薬剤で、体内で作られるホルモンの一種です。服用することで、炎症や過剰な免疫反応を抑える効果が期待できます。軽・中等度の好酸球性多発血管炎性肉芽腫においては、プレドニゾロン単独で治療することが推奨されています。事実、軽症例であれば、プレドニゾロンでの治療でほとんどの好酸球性多発血管炎性肉芽腫が寛解すると言われています。
プレドニゾロンで十分な効果が得られない場合には、免疫抑制薬との併用が検討されます。

免疫抑制薬

免疫抑制薬もプレドニゾロンと同様に、体内の過剰な免疫反応を抑える効果が期待できる薬剤です。プレドニゾロンは長期的かつ大量に服用すると副作用のリスクがあるため、プレドニゾロンの服用量を減量しなければならない場合や単独では効果が得られない場合に、免疫抑制薬が併用して使われます。

メポリズマブ

メポリズマブは、プレドニゾロンや免疫抑制薬に対する抵抗があり、治療効果が薄い場合に併用して用いられる薬剤です。メポリズマブは、好酸球の増殖や活性化を抑制する効果が期待できます。

ステロイドの使用量を減らして、副作用のリスクを軽減できることもメリットです。

免疫グロブリン大量療法

高濃度の免疫グロブリンを静脈注射で投与する治療法です。免疫グロブリン大量療法は、他の治療法で改善が見られない場合に、末梢神経障害(運動神経、感覚神経、自律神経がダメージを受けた状態のこと)の改善を目的に使われます。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症になりやすい人・予防の方法

喘息やアレルギー性鼻炎をもっている人やアレルギー体質の人は、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症を発症するリスクが高まることが知られています。免疫システムが過剰に反応しやすく、好酸球の異常な増加を引き起こす可能性があるためです。

原因が解明されておらず、遺伝要因が関わっているため、完全な予防策は確立されていません。発症した場合には、医師の指示に従い、継続的に治療を続けることが大切です。

関連する病気喘息アレルギー性鼻炎慢性副鼻腔炎心筋炎

腎炎

肺炎心膜炎脳血管障害潰瘍性大腸炎

参考文献

一般社団法人 日本循環器学会「血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版)

難病情報センター「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(指定難病45)」

厚生労働省「45 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」

一般社団法人 日本リウマチ学会「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)」

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