「斜頸」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「斜頸」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

斜頸の前兆や初期症状について

先天性筋性斜頸や骨性斜頸などの生まれつきの斜頸では前兆がありません。痙性斜頸では首の筋肉が動かしにくいという神経症状、炎症性斜頸では中耳炎や扁桃炎などの炎症、眼性斜頸では斜視などの眼球運動障害が前兆としてみられます。

初期症状として多くの斜頸では痛みなどの自覚症状がみられず、首の動かしにくさがある程度です。しかし症状が進行し斜頸が固定されると、頭痛やめまいなどの自覚症状が出てくるケースもあります。

斜頸の検査・診断

斜頸は視診で診断されますが、原因を特定するための検査が必要です。

先天性筋性斜頸

先天性筋性斜頸は出産直後もしくは1ヶ月検診までに気づかれるケースが大半です。特別な検査は必要ありません。

痙性斜頸

痙性斜頸ではジストニアの検査をおこないます。ジストニアは表面筋電図によって筋肉の収縮に異常がみられます。加えて、筋肉の不随意運動(意図していない運動)や筋肉の緊張などのジストニアの特徴がみられた場合、痙性斜頸と判断されます。

骨性斜頸

レントゲン画像によって脊椎の配列を確認します。場合によってはCT検査も行うことがあります。頚椎から胸椎まで確認し、全体の配列を確認したうえで診断します。

炎症性斜頸

炎症性斜頸では開口位で頚椎のレントゲン撮影をおこない、頚椎の配列にズレがあるかを確認します。場合によってはCT検査も行うことがあります。中耳炎や扁桃炎などの既往歴を確認し、いつから首が倒れているか問診します。

眼性斜頸

眼性斜頸は上述した斜頸に当てはまらない場合(骨配列に異常がなく、首の筋肉の異常や炎症が疑われる所見がない)に疑われます。眼球運動に異常がみられ、斜視を伴うケースもあるため、焦点を合わせる眼位検査や視力検査、大型弱視鏡による斜視の検査などから総合的に診断されます。

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