「縦隔腫瘍」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

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縦隔腫瘍の治療

縦隔腫瘍の治療には、外科的治療や放射線治療、抗がん剤治療(化学療法)があります。

治療の選択は腫瘍の種類や患者さんの状態によって異なるものの、一部の良性腫瘍と悪性リンパ腫を除いて外科的手術が第一選択されることが多いです。

外科的治療

外科的治療では、腫瘍を切除する治療が行われます。縦隔腫瘍のうち最も発症頻度の高い胸腺腫や胸腺がんの場合は、開胸手術が選択されます。一方、良性腫瘍や悪性腫瘍の初期の場合は、「胸腔鏡」と呼ばれる器具を使用して腫瘍を摘出するケースもあります。開胸手術と比較し、胸腔鏡を使用した手術の方が体への負担が少ない傾向にあります。

放射線治療

胸腺腫や悪性リンパ腫、甲状腺腫瘍、胸腺がんなどの悪性腫瘍では、病期(ステージ)などに応じて放射線治療が行われることもあります。

縦隔腫瘍の放射線治療では、体外から放射線を照射する「外部照射法」と呼ばれる治療法が考慮されます。

手術を行わない場合、抗がん剤治療と併用して行われることもあります。手術を行なって腫瘍をできる限り切除したものの、一部が残存している場合などにも「術後照射」として行われるケースがあります。

抗がん剤治療

悪性腫瘍のうち、手術や放射線治療などが適応にならないケースや、治療後に再発を認める場合には、抗がん剤治療が考慮されるケースもあります。

一般的に、胸腺腫に対しては「シスプラチン」「ドキソルビシン」「ビンクリスチン」「サイクロフォスファミド」の4種類の抗がん剤を組み合わせた「ADOC療法」が多く行われています。また、胸腺がんに対しては、「パクリタキセル」と「カルボプラチン」の2種類の抗がん剤を組み合わせた治療が標準治療として行われています。胚細胞性腫瘍では、シスプラチンを中心とした抗がん剤が用いられます。

縦隔腫瘍になりやすい人・予防の方法

縦隔腫瘍を含むさまざまな腫瘍は明確な予防法がないのが現状です。
しかし、早期発見につなげるために、普段から生活習慣を整えて健康管理に努め、定期的に健康診断を受けることが大切です。

特に、良性の縦隔腫瘍は健康診断で偶然発見されるケースもあるため、年に1回は健康診断を受けるようにしましょう。

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参考文献

国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス「がんという病気について」

国立がん研究センター東病院「縦隔腫瘍について」

一般社団法人日本呼吸器学会「縦隔腫瘍」

国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス「腫瘍マーカー検査とは」

厚生労働省「早期発見・早期治療につなげるために 正しく知ろう!がん検診」

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