セリアック病の治療
セリアック病の治療は、グルテンを含まない食事を続けることです。
これにより、自己免疫反応を防ぎ、腸の絨毛の回復に期待できます。通常は、グルテン除去食(GFD:Gluten Free Diet)を始めてから1~2週間で症状は改善すると言われています。
ただし、小麦は主食のひとつであり、麺類や加工食品の多くにも入っているため、グルテン除去食の摂取を続けることは簡単ではありません。例えば、以下のような食品にグルテンが含まれています。
パン
ラーメン
うどん
アイスクリーム
ホットドッグ
市販のスープなど
また、栄養不足を補うために鉄分やビタミンD、カルシウムなどの栄養素が必要となるケースもあります。
厳密な食事の管理が必要となるため、医師や管理栄養士と相談しながら治療することが大事です。
さらに、ストレス管理も重要な要素であり、ストレスが腸の健康に影響を及ぼすことから、リラクゼーション法や適度な運動を取り入れることも治療に役立つとされています。
セリアック病になりやすい人・予防の方法
セリアック病になりやすい人は、HLA-DQ2またはHLA-DQ8という遺伝子を持つ人や家族にセリアック病の患者さんがいる人です。
ただし、セリアック病は日本人にとって珍しい病気であり、適切に診断されないケースもあります。
セリアック病の予防には明確な方法が存在しませんが、発症のリスクのある人が早期に適切な検査を受け、症状が出た場合には速やかに医療機関を受診することが重要です。
また、腸内環境を整えることや健康的な食生活を維持することも、セリアック病の発症リスクを減らす可能性があります。
特に、過度な小麦製品の摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけることが勧められます。さらに、定期的に健康チェックを受けて、早期に身体の変化に気づくことが、症状の進行を防ぐためにも有効です。
関連する病気過敏性腸症候群
炎症性腸疾患
参考文献
栄養サポートに役立つ食物アレルギーと基礎知識と最新情報第38回セリアック病|Nutrition Care 2023
食品安全関係情報詳細|内閣府
Ⅰ.セリアック病|日本大腸肛門病会誌
Case control study on nutritional risk factors in celiac disease
Celiac disease: a comprehensive current review
配信: Medical DOC
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