遅発性ジスキネジアの前兆や初期症状について
遅発性ジスキネジアは、はじめに顔面周辺(舌や下顎、ほほ、唇)に症状が現れ、しだいに手や足、全身へと症状が拡がります。不随意運動であるため、やめようとしても自分の意思で症状を止めることはできません。ストレスが強い場合は症状が強まることがありますが、睡眠中には消失することも特徴です。
症状の寛解率(症状が落ち着いて安定するかどうか)は、症状の程度と回復までの時間に反比例するといわれています。そのため遅発性ジスキネジアの症状に気づいたら、できるだけ早く主治医へ相談することが重要です。
顔面や舌
繰り返し唇をすぼめる、口をもぐもぐさせる、舌を左右に動かす、舌を突き出す、歯を食いしばるような動作、まばたきを繰り返す、目を閉じると開きにくいなどの症状があります。
手や足
指先を繰り返し曲げたり伸ばしたりする、腕を振り回す、足の指を小刻みに上下に動かすなどがあります。
首や体幹
首や体をゆする、体をねじったりクネクネしたりするなどが挙げられます。
注意が必要な症状
遅発性ジスキネジアの中には、「呼吸性ジスキネジア」と「食道ジスキネジア」と呼ばれるタイプのものがあります。これらは発見されづらく、重症化すると命の危険につながるため注意が必要です。
呼吸性ジスキネジア
呼吸が苦しくなったり、呼吸が不規則になったりします。窒息や呼吸困難が起こると命の危険につながります。
食道ジスキネジア
食道の筋肉が異常に緊張することで、食事の際に支障をきたします。具体的な症状としては、食べ物が飲み込みづらくなる、のどにつまりやすくなる、気管に入りむせてしまうなどがあります。窒息する可能性があるため注意が必要です。
遅発性ジスキネジアの検査・診断
遅発性ジスキネジアには、特徴的な検査所見はありません。精神疾患の治療歴や症状、不随意運動の様子などから総合的に診断されます。
遅発性ジスキネジアが疑われた場合には、不随意運動がみられる他の病気を取り除いたうえで、確定診断とします。
配信: Medical DOC