「胃がんの予防法」はご存知ですか?予防する可能性の高い食べ物も医師が解説!

「胃がんの予防法」はご存知ですか?予防する可能性の高い食べ物も医師が解説!

胃がんの予防法とは?Medical DOC監修医が胃がんの予防法・胃に負担をかけやすい食べ物・予防する食生活などを解説します。

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監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「胃がん」とは?

胃がんは、正常な胃の粘膜がさまざまな危険因子にさらされることで変化し、がん細胞が発生したものです。
胃は食べ物の通り道であり、食べ物の影響を受けやすいです。また、飲み水や食べ物と一緒に口からピロリ菌が体内に入る事によって感染し、胃がんが発生する危険因子となります。このように、胃がんの発生には食事の与える影響が多く、予防をするためには、食事について考えることが大切です。

胃がんの予防法

ピロリ菌の除菌

ピロリ菌の感染が胃がんの最も重要な危険因子であるとわかっています。日本では衛生環境が改善され、若い世代での感染率は低下しています。しかし、1970年代生まれでのピロリ菌感染率は34.9%、1960年代生まれで49.1%、1950年代生まれで59.1%[陽伊1] と高齢になるほどピロリ菌の陽性率が高く、注意が必要です。ピロリ菌の感染が判明した場合、除菌することで胃がんの発生率が低下することが分かっています。しかし、完全にリスクがなくなるわけではないため、定期的ながん検診は重要です。
また、ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因でもあります。潰瘍を繰りかえす方では、除菌をすることで潰瘍の再発を予防することもできます。

塩蔵食品を控える

塩分は血圧を上昇させ、循環器疾患のリスクになります。一方、漬物や干物、塩蔵魚、魚卵などの塩蔵食品は胃がんの危険因子です。塩分濃度が高いという事以外に、塩蔵の過程で生成されるニトロソ化合物が胃がんのリスクをあげているのではないかと考えられています。野菜や魚介類はカリウムやEPAなど体に良いとされる栄養素も多く含んでいます。このため、健康を考え、野菜や魚介類を積極的に摂取している方もいるでしょう。野菜や魚介類を食べる際には、薄味のものや生鮮ものを選択すると良いでしょう。

禁煙をする

日本人において喫煙者は非喫煙者と比較し、2倍胃がんになりやすいと報告されています。また、そのほかの多くのがん(肺がん、食道がん、膵臓がん、大腸がん、肝細胞がん、膀胱がん、頭頚部がんなど)においても、危険因子です。喫煙は「百害あって一利なし」と言われています。禁煙を心がけましょう。一定の条件を満たせば、禁煙外来を利用して禁煙を補助する治療を受けることもできます。相談をしてみましょう。

節酒

日本人の男性において飲酒量が1日当たりエタノール摂取量で1日23g(日本酒1合、ビール500ml、ワイン120ml、焼酎1合)以上の場合に胃がんのリスクが有意に上昇すると報告されています。アルコール量が増えるほどそのリスクは上昇し、お酒を飲まない人と比較し、1日当たりのエタノール摂取量が23~46gで1.09倍、46~69gで1.18倍、69~92gで1.21倍、92g以上で1.29倍とリスクの上昇がみられます。この結果は女性では見られませんでしたが、女性では飲酒量が少ない方が多かったためと考えられ、男性と同様に節酒することがお勧めです。アルコール量を23g(日本酒で1合)未満の節酒を心がけましょう。

定期的な検診

胃がんは初期では症状が出にくいです。2019年のがん患者罹患数の調査において、男性で3位、女性で5位と日本人で比較的多いがんといえます。胃がんはピロリ菌が陽性の場合には除菌と、胃の定期的な検診や検査を受け、早期に発見することが非常に大切です。日常的な予防とともに、定期的な胃がん検診も行いましょう。