「陥没乳頭」はどのように治すのかご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「陥没乳頭」はどのように治すのかご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

陥没乳頭の前兆や初期症状について

先天性なものは、基本的に良性であり、特に症状がないことが多いようです。
精神的、審美的な問題で手術を希望する場合には、外科手術を受けることもできます。
その場合、形成外科、美容外科に受診し相談することになります。

後天性なものは、乳がん、乳房パジェット病、乳管内乳頭種、乳管腺腫、乳頭部腺腫といった疾患と鑑別することが重要になります。

陥没乳頭に乳房のびらん、紅斑、湿疹、血性乳頭分泌物、乳房にしこりが触れるといった症状がある場合には、上記の疾患の可能性があります。
鑑別のためには乳腺外科への受診、精密検査が必要になります。

また、陥没乳頭は乳輪下膿瘍の原因となり得ます。
乳頭近くの乳管が閉塞してそこに細菌感染が起こり、膿瘍を形成します。
乳輪下に痛みを伴ったしこりから始まることが多い傾向です。
難治性で、膿瘍部の切開排膿を受けても数ヶ月後にまた膿が溜まることが多く、原因となる乳管や膿瘍部を切除する必要があります。
こちらも乳腺外科への受診、手術が必要です。

陥没乳頭の検査・診断

先天的な陥没乳頭の場合は、自覚的、他覚的にわかるものですが、後天的なものは検査により異常がないか確認する必要があります。

乳がんなどの悪性腫瘍による陥没乳頭は、乳管への悪性細胞の浸潤によって起こります。
血性またはさらさらとした乳頭からの分泌物、乳頭びらん、乳房のしこりを伴うことが多いようです。
このようなケースではがんの診断を遅らせる可能性があるため、乳頭の矯正手術は禁忌となります。
乳腺外科を受診し、マンモグラフィ、超音波、乳管内視鏡などの精密検査を受け、悪性な疾患と鑑別することが重要です。

関連記事: