こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回は 「福祉用具の使い方のキホンのキ、杖編」ということで、杖の超基本的な使い方について書いてみたいと思います。
杖の種類と使い方
杖は、おおまかに「T字杖」「多点杖」「松葉杖」「ロフストランドクラッチ」「折りたたみ杖」といった種類があります。
それぞれの特徴と使い方について簡単に説明してみますと・・・
●T字杖
T字杖は、その名の通り、グリップ部分と柄の部分で構成された「T」の形をしている杖です。グリップを握って歩行時に一歩前に杖を突くことで、転倒を防いで安全に歩行することが可能です。
ちなみに、T字杖は、介護保険レンタルの対象ではありません。理由としては、T字杖は他の福祉用具と比べて比較的安価であること、比較的軽度の歩行補助具であり自立歩行が可能な人向けであるから、という理由があげられます。
より介護度の高い人向けで、多脚杖などのより専門性の高い歩行補助杖が介護保険でレンタル可能となっています。
●多点杖
多点杖は、杖の足先が3つ・4つに枝分かれしている杖のことです。介護保険レンタルでご利用できます。
特に4つの足に分かれている四点杖が主流です。手を離しても自立して置いておく事が可能で、T字杖に比べてより安定感が高いです。
近年では、斜めについても杖先の足がすべて地面に接地して安定できるような、支柱角度が可動するタイプが主流になってきました。それまでは地面に対して垂直に杖を付く必要があり、スタスタと連続歩行していくうえで支障があったのですが、可動式であれば、リズムよく歩行することが可能になります。
ただし、雑に杖をついてしまうと、四つ足すべてが接地せずに不安定になったり、可動することで重みをかけられなかった際に転倒のリスクが高まったりするので、安易な選定は禁物です。
●松葉杖
松葉杖も介護保険レンタルが可能な杖になります。
よく病院で足を骨折された方が治癒するまで使われたりしますが、介護保険の場合は、足を切断された方によく導入したりします。
松葉杖の使い方で、脇にパッドを食い込ませて使う、という間違った使い方をされている方がいますが、実際の使い方としては、脇とパッドの間に約5センチの隙間を開けることが必要です。
脇に直接圧迫してしまうと、血管を塞いでしまうためです。
●ロフストランドクラッチ
ロフストランドクラッチは、上腕部分を支えるカフがついたタイプの杖です。
グリップ部分とカフ部分の2か所で体重を支えるため、T字杖よりも安定感があり、握力の弱い方でもグリップには手を添える程度でしっかり体を支えることが可能です。
ちなみにカフ部分は、U字型の「オープンカフ」、O字型の「クローズカフ」の2種類があり、
・オープンカフ・・・腕に装着しやすいが安定感はやや劣る
・クローズカフ・・・腕の固定性が高く安定感があるが腕にカフに通す必要があり装着がややしづらい
というメリット・デメリットがあります。
●折りたたみ杖
折りたたみ杖は、小さく折りたたむことができ、持ち運びに便利な杖です。
バッグやスーツケースに入れて、必要な時にすぐに取り出して使用できるので、外出先や旅行時に便利です。
折りたたむ際に、杖の各ジョイント部分を引っ張る必要があり、少し力が必要だったりします。
杖の高さ調整について
杖のグリップの高さ調整はいくつか目安があります。
・大転子の高さ
・腕を降ろして肘を30度くらい軽く曲げた高さ
(つま先から15cmくらい前方に杖先が来る位置)
・腕を降ろした状態の手首の橈骨茎状突起の位置(骨が出っ張っているところ)
あくまでも目安ですが、グリップの高さが低すぎると前傾姿勢での歩行になり、前のめりに転倒しやすくなってしまったり、逆に高すぎると、杖に体重をしっかりかけることが難しくなってしまいます。
正しいグリップの高さで使うことで安全な歩行が可能になりますので、ぜひ参考にしてみてください!
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは
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