薬物療法で軽減、消失する例も
チック症に対する薬物療法は、近年、大きな進歩を遂げています。1年以上症状が続き、日常生活に支障がある場合は、薬物療法を怖がらずに検討してみることをお勧めします。
主な薬剤には、漢方薬の抑肝散、アリピプラゾール、リスペリドン、ハロペリドール、クロニジン、グアンファシンなどがあります(すべて保険適用外)。これらは症状の程度や併存症の有無、副作用のリスクなどを考慮して選択します。
重要なのは、適切な薬物療法によって、チックが急速に軽減したり、ほぼ消失したりする例も少なくないという点です。これは、チック症が心因よりも脳の機能不全という側面が強いことを示しています。
家族は長期的な視点を持って
チック症の子どもを持つ親御さんには、いつも長期的な視点を持つことの大切さを伝えています。まず、チックを無理に止めさせようとしないことが重要です。チックは本人の意思で完全にコントロールすることが難しいものであり、無理に止めさせようとすると、かえってストレスになり、症状を悪化させることがあります。
次に、チック以外の素晴らしい特徴にも目を向けることをお勧めします。チックは子どもの一部分に過ぎません。他の才能や良い面にも注目し、子どもの自尊心を育てることが大切です。
また、長い目で見守ることも重要です。多くの場合、時間とともに症状は落ち着いていきます。一時的な症状の増悪に一喜一憂せず、長期的な視点で見守ることが大切です。ただし、1年以上続く、あるいは悪化傾向がある場合は医療機関にご相談ください。
さらに、必要以上に心配しないことも大切です。チックは脳の機能不全によるものですが、多くの場合、知的能力や他の機能には影響しません。チックがあっても、充実した人生を送ることができます。
最後に、周囲の理解を促進することをお勧めします。学校の教員や友人たちにチックについて正しく理解してもらえるよう、必要に応じて説明することも大切です。これにより、子どもを取り巻く環境がよりサポーティブになり、子どもの成長を助けることができます。
配信: オトナンサー