火災で迫る炎や煙!命を守るための正しい避難方法を知ろう

火災で迫る炎や煙!命を守るための正しい避難方法を知ろう

火災では炎の熱による火傷のほかにも、煙によって視界がさえぎられたり、一酸化炭素や有毒ガスを吸うことによって意識を失ったりして、避難ができず死亡につながることが多くあります。
煙を避ける方法などの正しい避難方法を身につけ、落ち着いて行動をすることで、助かる可能性が大きく変わってきますので、火災にあったときの正しい避難方法を知っておきましょう。

日ごろの備え

火災がおきた時には、いち早く火災に気づき、初期消火を行い、消火できなければ避難を行うことが大切です。この3つを早いタイミングで行うことができれば、炎や煙に巻き込まれることなく建物から避難をすることができます。
いざ火事がおきた時に逃げ遅れないよう、日ごろからの備えを改めて確認しておきましょう。

火災に気づくための備え

住宅用の火災報知器は2011年に設置が義務づけられていますので、必ず設置をしましょう。また、電池切れなどで動かないことがないか定期的にチェックもしておきます。

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初期消火のための備え

消火器や消火スプレー(エアゾール式簡易消火具)を用意しておきます。
消火スプレーは消火器と比べると消火能力は劣りますので、使用できるのは火が小さいうちと考えてください。まず、初めは消火器を購入して、その後余裕があれば消火スプレーを追加で購入し補助的に使うようにしましょう。
なお、消火スプレーを購入するときには、パッケージに記載されている「適応火災の絵表示」を見てどんな火元に対応できるかを確認しましょう。

いざという時にすぐ使えるよう、消火器や消火スプレーは取り出しやすいところにおき、保管場所を忘れないよう確認しておくことも大切です。

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避難のための備え

避難用はしごなどの避難器具の上や、避難経路には物をおかないようにします。避難器具など非常時にしか使わないものは、定期的に点検をして使い方も確認しておきましょう。
会社やマンションに非常口や防火扉がある場合には、荷物をおいて出入口をふさがないようにします。また、火災を検知して自動で閉まる防火扉の場合には、扉が下りてくる位置をふさがないようにします。

火災がおきた時には、エレベーターが使用できないほか、いつも使っている階段が炎や煙にふさがれて通れないこともあります。1か所がふさがっても、別の経路から避難できるように複数の避難方法を考えておくことも大切です。

火災で脅威となる煙

煙は視界をさえぎり避難経路を見えなくするだけでなく、吸い込むことで一酸化炭素中毒での呼吸困難や有毒ガスでの中毒をおこします。
一酸化炭素は酸素より200倍も血液中のヘモグロビンと結合しやすいため、空気中の濃度が高い場合には体に酸素を取り込めず、自覚症状なく急速に昏睡し、死にいたります。
また、炎によって熱せられた空気を吸い込むことで、気道や肺を火傷して呼吸困難になることや、燃焼によって空気中の酸素が失われることもあるので注意が必要です。

煙は横方向には毎秒0.5~1mといった人が歩くのと同じ速さで進み、縦方向には毎秒3~5mのスピードで進みます。そのため、階段などに煙が流れこめば人の移動速度では逃げることができないため、煙を入れないよう扉を閉めておくことが大切です。
また、部屋や廊下では天井付近の煙が、冷たい天井や壁で冷やされることで、煙が急降下してくることもあります。
そのため、なるべく早く避難を開始し、煙に巻き込まれないこと。煙が流れてきた場合には、いかに安全に呼吸をするかが重要となります。

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