●頑張りすぎは、夫婦、家族円満に危険信号⁉
「私は、カウンセラーという仕事柄、いろいろな女性を見てきました。その人たちは、母親として、妻としてその二つの顔を使い分け、一生懸命に頑張っている人たちばかり。しかし、そんな自分を無理やり“充実している自分”と思い込み、苦しい自分がいても、そんな自分に蓋をして涙も流さず踏ん張っている女性も少なくないのです」(高草木さん 以下同)
しかし、頑張りすぎは要注意だという。その先にある陥りやすい悲劇とは?
「泣きたくても“泣いてたまるが”と、強気で踏ん張ることも時には必要なのかもしれません。しかし、自分が頑張りすぎているときは、人に優しくできなかったりします。自分が頑張っている分、弱音を吐いている人や、甘えていると感じる人を許せず、キツく当たってしまうことがあるからです」
例えば、わが子に対して感情的に怒ったり、夫に対して一方的に責めるような言い方をしてしまうなど、一番身近な人に強く向けられる悲劇を生むことも…。
「母親がストレスを抱え、いつもピリピリしていると、子どもは常にビクビクしながら顔色をうかがうようになります。また、夫は怖い口調、顔つきの妻と同じ空間に居ることが苦痛になり、やがて夫婦の会話もなくなっていってしまうのです。まさに一家の悲劇です。もし、このように自分が感じている以上にストレスレベルが高くなってしまっているなら、時には泣いてもいいのです」
実は、泣くことには、ストレスレベルを調節する素晴らしい効果があるという。
【泣くことで得られる効果】
(1)ストレスが軽減されてイライラしなくなる
「泣くことにより、“コルチゾール”といわれるストレスホルモンが涙と一緒に放出されると医学的に証明されています。つまり、泣くことにより気分がスッキリリセットされ、冷静な自分を取り戻すことができるので、ストレスによるイライラを大切な家族にぶつけてしまうなどのトラブル防止となります」
(2)うつなどの精神疾患を防いでくれる
「あえて積極的に泣くことで、日ごろ蓋をしてしまっていた自分の“感情の確認”ができます。“泣けた”ということは、感情が動いた証拠。ストレスは慢性化していくと、うつになりやすくなり、笑ったり、泣いたり感情が動かなくなってしまうのです」
(3)夫が優しくなる
「いつもメソメソは、面倒な存在になってしまい良くありませんが、たまには夫の前で泣きましょう。泣かない妻は、夫にとって=強い女のイメージを作り上げてしまい、“守りたい”“守らなきゃ”という気持ちを忘れさせてしまうからです。やがて、夫は“自分は必要とされていない”と感じてしまい、弱い部分をさらけ出してくれる女性に心が惹かれてしまうこともあるので気を付けましょう」
頑張りすぎている女性の皆さん! バランスよく泣いて、自分の心を向き合う時間を作りましょう。それが、家族円満、夫婦円満にもつながるようです。
(構成・文/横田裕美子)