心不全で亡くなる時、どんな症状が現れる?Medical DOC監修医が心不全で亡くなる時に現れる症状・原因・心不全を発症しやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
≫「急性心不全の前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?予防法も医師が解説!
※この記事はMedical DOCにて『「心不全で亡くなる時」に現れる症状はご存知ですか?予防法も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
佐藤 浩樹(医師)
北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。
「心不全」とは?
心不全とは心臓の機能が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなって、生命を縮める病気です。症状がよくなっても完全に治ったわけではなく、悪化や改善をくりかえしながら、徐々に進行する病気です。軽症の心不全は、動いた時に息切れや全身倦怠感などの症状が現れることはありますが、安静により日常生活に大きな影響を与えることが少ない状態です。中等症の心不全は、息切れや全身倦怠感などの症状が顕著に現れ、日常活動に影響を与えることが多い状態です。重症の心不全は、心臓の機能が著しく低下しているため、息切れや全身倦怠感などの症状で苦しみ自発的な行動がほぼできない状態です。多くの場合、薬物療法に加えて機械的補助装置が必要になることが多く、最終的には心臓移植などが検討されます。
心不全を発症する原因
主な原因として、冠動脈疾患、弁膜症、不整脈などがあります。これらの疾患によって心臓のポンプ機能が低下します。他には、高血圧や糖尿病をはじめとする生活習慣病、ウイルスが心臓に感染する心筋炎、ホルモン異常である甲状腺疾患、遺伝的要因が原因となることもあります。
冠動脈疾患
冠動脈疾患は、代表的な心不全の原因です。冠動脈が狭窄または閉塞することにより心臓の筋肉への血液の供給が減少してしまう疾患です。そのため、心臓の筋肉に供給される酸素や栄養素が不足することにより心臓のポンプ機能が低下して心不全を引き起こします。このような状態が急激に起こると胸部圧迫感、胸痛、息切れなどの症状が出現し苦しむことになります。心筋梗塞や不安定狭心症などを考えなければなりません。いずれの疾患も致命的であり、早期処置が必要で緊急性が高いため循環器科を受診しましょう。
弁膜症
心臓を仕切っている弁が固くなったり、閉じが悪くなったり、開きが悪くなったりする疾患です。このため、心臓内の血液の流れが妨げられるため心臓が正常に機能しなくなり心不全を引き起こします。初期症状は障害が起きた弁によって異なりますが、一般的には、息切れ、全身倦怠感、むくみ、脈の乱れなどの症状が出現します。こういった症状が認められた時は循環器内科を受診することが大切です。
不整脈
不整脈は心臓のリズムが正常でない状態です。そのため、心臓は不規則な拍動となり全身への血液の供給が十分でなくなります。この影響で心臓の筋肉が徐々に障害され、心不全が発症します。不整脈は経過観察でよいものから死に至る可能性があるものまで、さまざまなものがあります。無症状の方も多いですが、初期症状として動悸、脈が飛ぶ感じ、脈が不規則などを感じる方もいます。不整脈を指摘されたら循環器内科を受診して今後の指示をもらいましょう。
配信: Medical DOC