【獣医が解説】シニア猫がかかりやすい病気|主な症状や注意点、対策方法について

【獣医が解説】シニア猫がかかりやすい病気|主な症状や注意点、対策方法について

最近は猫が15歳くらい生きることも珍しくなくなってきました。8歳くらいからシニア期に入るので、猫は寿命の半分をシニアとして過ごすことになります。今回はシニア期にかかりやすい病気について解説します。

巻き爪

猫が若いうちは頻繁に爪とぎをします。

爪とぎをすることによって、古い爪が剥がれ落ち、新しい爪に生まれ変わるのです。

ところが、年をとってくるとあまり爪とぎをしなくなります。

古い爪がそのまま残り、残ったつめは固く分厚くなっていきます。

それでも取れないとその爪はどんどん伸びていき、丸まって肉球に刺さってしまうのです。

すべての指の爪で起こりますが、とくに第一指(親指)は巻き爪になりやすいようです。

症状

歩き方がおかしい。

歩く時に爪が床にあたってカチカチ音がする。

足の爪あたりをよくなめる。

肉球に血がついている。

治療と予防

猫の肉球に爪が刺さっていたら、動物病院で処置してもらいましょう。

肉球が化膿している場合は爪を取り除いたあとに、抗生剤が処方されることもあります。

巻き爪は繰り返しますので、一度そうなった猫は放っておくとまた爪が肉球に食い込むことになります。

飼い主さんは日頃から猫の爪を見てあげてください。

伸びていると思ったら爪が丸くなる前に切ることです。

ただし猫の爪切りは案外難しいので、ご自分で行うのが無理そうでしたら、爪が肉球に刺さってしまう前に動物病院で切ってもらうといいでしょう。

甲状腺機能亢進症

甲状腺が大きくなることにより、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され全身性の障害が引き起こされる病気です。

この病気の進行は穏やかなので、はじめは気づきにくいかもしれません。

食欲も旺盛で元気に走り回るので、「年なのにすごく元気なんです」と言う飼い主さんが多いですね。

症状

ガツガツとよく食べるようになる。

水をよく飲む

痩せる

今まで以上に元気になり、夜中に走り回る。

脱毛する

治療法

治療は甲状腺ホルモンの過剰分泌をおさえるために、甲状腺ホルモンの合成を妨げる薬を投与する方法や、甲状腺を摘出する手術が行われることもあります。

よく食べるのに痩せてくるといったことがみられたら動物病院で相談してください。

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