子宮蓄膿症
細菌感染により子宮内部に炎症がおこり、膿がたまる病気です。
子宮の病気なので、避妊手術で子宮を切除してあればこの病気にかかることはありません。
高齢猫は免疫力が衰えてきているので、細菌感染がおこりやすくなっています。
そのため、避妊手術をしていないシニア猫は注意が必要です。
症状
おしりをしきりと舐める。
お腹が少し大きくなった
嘔吐
食欲不振
外陰部からおりものが出ている。
水をよく飲み、おしっこの量が増える。
猫は子宮に膿がたまっても、初めのうちは症状を示さないことが多いです。
膿がたくさん溜まり、体が熱を持つようになると、全身症状が出てきます。
飼い主さんが動物病院につれてくる時には病状がかなり進行していることが少なくありません。
治療法
治療は手術(子宮卵巣摘出術)が第一選択肢となります。
術後の経過は良好なことが多いですが、猫があまりに弱っていると、手術のリスクが高まります。
少しでも元気があるうちに飼い主さんが異常に気づいてあげることが大切です。
避妊手術をしていない猫の飼い主さんは、猫が高齢になったら日頃からよく観察することです。
猫がおしりをなめていたら、尻尾を持ち上げて外陰部を見てみましょう。
ゼリー状のおりものがでていたら、様子を見ずに動物病院に行ってください。
乳がん
乳腺腫瘍は乳腺が腫瘍化する病気です。
腫瘍が悪性のものですと、乳がんと呼ばれます。
猫の場合は乳腺腫瘍の90%が悪性です。
乳腺が腫瘍化しても、猫は特に症状を示しません。
飼い主さんが猫のお腹あたりを触っている時にしこりのようなものがある、と気づいて動物病院につれてこられるケースが多いようです。
治療は手術による腫瘍の摘出となります。
再発を可能なかぎり防ぐために乳腺の全摘出が行われることが多いです。
しかし、猫の乳腺腫瘍は転移することが多く、なかでも肺に転移する確率が高くなっています。
腫瘍が肺に転移すると、それまでなんの症状も示さなかった猫も咳をするようになります。
そうなってからだと、手術の適応外となってしまいます。
そのため、腫瘍がまだ小さなうちに手術を行うことが重要です。
ただし、早期に手術を行ったとしても、猫の乳腺腫瘍は再発することが少なくありません。
それぐらい、悪性度の高い腫瘍です。
猫の乳腺腫瘍は子猫のうちに避妊手術をおこなうと高い確率で予防することができます。
避妊手術を施されていないシニア猫や避妊手術はしてあるけれど、1歳を超えてから行ったという場合は、猫の乳腺あたりをときどき触り、ちいさなしこりを発見したら獣医師に相談してください。
配信: ねこちゃんホンポ