起訴状が届いたら確認すべきことと刑事裁判の備え方

起訴状が届いたら確認すべきことと刑事裁判の備え方

起訴状に関するQ&A

Q1.起訴状とは?

起訴状とは、検察官が、刑事裁判で有罪・無罪の判断及び刑の重さ(これを量刑といいます。)をどうすべきかの判断を求めるのが相当だと判断した事件について、その裁判手続きを開始するため裁判所に作成し提出する書類です。

起訴された人は「被告人」と呼ばれ、裁判所に提出された後、速やかに被告人の元へ写しが届けられます。

Q2.起訴されるまでにどのくらいかかる?

検挙されてから起訴されるまでの期間はさまざまに異なります。

身柄拘束された場合には、最大20日以内の勾留期間中に起訴・不起訴が決まりますが、在宅事件の場合はこのような時間の縛りがありません。

また、起訴・不起訴が決まるまでには、数ヶ月かかることが多いですが、半年以上かかるケースも少なくありません。

Q3.起訴状が届いたら確認すべきことは?

起訴状が届いたら「裁判の結果に直結するもの」と意識し、その内容はくまなくチェックしましょう。特に下記2点が重要です。

①訴因が特定されているか

第1に確認したいのは、公訴事実の欄に記載された事実が、訴因として特定されているかどうか(刑訴法第256条第3項前段)です。

訴因とは、検察官が主張する具体的な犯罪の構成要件に該当する事実をいいます。裁判を進行できるか否かに関わる次の2つの機能を持ちます。

裁判所に対し、審判の対象をはっきりと定める(画定)する機能
被告人に対し、防御の範囲を示す機能

公訴事実の書き方によっては、必ずしも訴因特定の要件を満たしているとは限りません。

特定の犯罪の構成要件のうち、一部が欠けていたり、別の犯罪の構成要件に該当する事実が記載されていたりすることがあります。

何について裁判するのか(=訴因)がはっきり分かる内容かどうか、チェックしましょう。

②記載されている事実に間違いはないか

第2に確認したいのは、起訴状に書かれている内容に間違いがないかどうかです。

刑事裁判が開始されるにあたっては、まず、裁判官が住所や本籍などの情報から、被告人の身元を確認し、その後、検察官が起訴状を朗読した上で、裁判官から被告人に対して、公訴事実に間違いがないかどうかの確認が行われます。

起訴状の誤りを見逃すと、たとえ事件発生の時間が事実と数十分程度ずれているだけであったとしても、指摘や反論をしなかったために、大きく不利になることがあります。

送達された段階で細かい点までしっかりと目を通し、起訴状の内容と自分が認識している出来事との間に相違がないかチェックしましょう。

まとめ

起訴状を受け取ることは、これから刑事裁判がスタートすることを意味します。

裁判は、起訴状の内容をベースにして進行するため、本人の認識・記憶と異なる部分がないかしっかりチェックしておきましょう。

その上で、検察官が提出する予定の証拠を検討し、求めたい処分の内容・程度に応じて対策を練る必要があります。

大半の事件では刑事裁判が始まるまでに国選弁護人が付きますが、本人や家族にとってより公正かつ穏当な結果を得るために、遅くとも起訴状を受け取った段階で私選弁護人に相談すると良いでしょう。

監修者:萩原 達也弁護士

ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
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