「何事も過ぎれば害となる」と言いますが、健康に良いとされる「豆乳」も例外ではないようです。一体、どのような豆乳を過剰摂取すると、悪影響を及ぼすのでしょうか。管理栄養士の丹羽さんに解説していただきました。
≫ 【管理栄養士に聞く】コーヒーは貧血の原因となる? 避けるべきタイミングや貧血予防のための食事について
監修管理栄養士:
丹羽 琴美(管理栄養士)
名古屋学芸大学管理栄養学部卒業。大学卒業後、愛知県内の老人ホームに管理栄養士として就職。献立作成・栄養管理・調理などを担当。その後、食の楽しさや、正しい知識を発信したいとの想いから、フリーランスの管理栄養士・ライターに。「有益な情報を読みやすく発信」をモットーに、記事の執筆や編集、レシピ作成などを手がけている。
編集部
豆乳を飲みすぎると、なにか体に悪い影響はありますか?
丹羽さん
豆乳を飲み過ぎると、大豆イソフラボンが体内で作用し、ホルモンのバランスが崩れる可能性があります。また、大豆イソフラボンの摂りすぎは、乳がんのリスクを高めることもあります。しかし、現時点では、豆乳や豆腐など昔から親しまれている食品の大豆イソフラボンが、体に悪い影響を与えるかは分かっていません。あくまでもひとつの可能性として、頭に入れておくのがおすすめです。
編集部
大豆イソフラボンの働きによるホルモンの乱れを起こさないための注意点があれば教えてください。
丹羽さん
豆乳を含む大豆製品を摂取するときは、イソフラボンのサプリメントや特定保健用食品との食べ合わせに気をつけるのが大切です。サプリメントや特定保健用食品は、普通の食品と違ってイソフラボンが簡単に取れるため、過剰摂取の危険が高いのが特徴です。イソフラボンを多く含む製品の偏った摂取には気を付けましょう。しかし、豆乳は正しく飲めば、豊富な栄養素によるメリットがたくさんあります。
編集部
豆乳を正しく飲むとどのようなメリットがあるのですか?
丹羽さん
豆乳は、肌の健康を保ったり、女性の更年期障害の症状を緩和させたりする働きがあります。豆乳に含まれる大豆イソフラボンが、女性ホルモンと似た働きをするためです。また、豆乳に多く含まれる大豆タンパク質は、コレステロール値を低下させる効果があります。手軽に飲めて栄養価の高い豆乳は、幅広い世代の健康維持におすすめです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
丹羽さん
豆乳のカロリーや糖質は、無調整豆乳か調整豆乳かによって違い、 自分の目的や好みで飲み分けるのがおすすめです。また、ダイエット中に豆乳を飲むときのポイントは、200ml程度に抑えることを意識し、飲みすぎないことです。味が苦手でなければ、無調整豆乳が比較的低カロリーでダイエット向きですよ。
※この記事はMedical DOCにて【豆乳のカロリーは高い? 牛乳と比較して栄養素は? 管理栄養士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
関連記事: