猫への薬の飲ませ方|上手に飲ませるコツや注意点を現役獣医が解説

猫への薬の飲ませ方|上手に飲ませるコツや注意点を現役獣医が解説

一般的に犬よりも猫の方が投薬が難しいことが多いです。薬を上手く飲んでもらい、病気の治療をスムーズにおこなっていくために、ここでは猫ちゃんへ投薬を行う場合の、小さなコツを解説していきます。

薬の種類について

使われる薬の剤型は様々ですが、人間とほぼ変わりません。

一番多く取り扱われているのは、やはり「錠剤」。

体重の小さな子の場合や、錠剤がない場合には「粉薬」や「液剤」も使われます。中に液体や粉薬が入っている「カプセル」もあります。

また、「動物用医薬品」というのは実は種類が少なく、人間用の「医薬品」を用いていることが多くあります。

勿論、人には使えるけれども猫には使えない薬もありますので、自己判断で自分の薬を猫ちゃんに与えるのは、絶対ダメです!

動物用医薬品として販売されている薬は、体重別に処方できるよう分割しやすくなっていたり、飲ませやすいように猫ちゃんが好みそうなフレーバーを付けてあったりします。

特に猫ちゃんの場合、錠剤などの飲ませづらさが犬よりも強いことがあり、猫用に「液剤」を開発している薬がいくつもあります。

飲み薬の必要性

動物病院で「先生、注射で治りませんか?」と聞かれることは少なくありません。

飲み薬でも注射薬でも、多くの場合お薬が体に入って代謝されて排泄されるまでの時間に差はありません。となると、1日2回の飲み薬を注射にすると、1日に2回も注射に通わなくてはなりません。しかもそれは1日で治るものではないのです。

心臓や肝臓など慢性疾患をかかえてしまった場合、生涯お薬を飲まなくてはいけないという治療になることも少なくありません。

アトピーやアレルギーで痒みをおさえるために生涯、もしくは数ヶ月お薬を飲むこともあります。化膿や炎症などで抗生物質を使う場合も、数日は必ず服用してもらう必要があります。

治りきらないうちに止めてしまうと、耐性菌を作って再発してしまうなどの問題があるからです。

「お薬が飲めないこと」で治療を諦めてしまわなくてはならない、なんて悲しい選択をしなくてもいいように。お薬を飲むことが嫌なイベントにならないように気を付けていきましょう。

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