5、管理職が会社に残業代を請求する方法
では、名ばかり管理職に該当する管理職の方が残業代を請求する方法をみていきましょう。
まずは、残業の証拠を確保することが重要です。
以下のような証拠を可能な限り集めましょう。
タイムカード
職場のアドレスから送信されたメール履歴
業務日報
就業規則、雇用契約書
給与明細等
証拠を確保したら、会社宛の書面を作成して内容証明郵便で送付します。
この作業は、弁護士に依頼して行うのがよいでしょう。
会社と交渉し、残業代を支払ってもらえれば解決です。
会社が請求に任意に応じない場合は、労働審判や訴訟といった裁判手続によって解決を図ることとなります。
残業代の請求方法についてさらに詳しくは、「残業代の未払いは許せない!未払い残業代を請求するためのポイント」をご参照ください。
6、管理職が会社に残りつつ残業代を請求する方法
残業代の一般的な請求方法は前項でご紹介したとおりですが、会社と争うとなると退職に迫られてしまうおそれもあります。
実際のところ、未払い残業代を請求するのは退職後の方が多いものです。管理職にまで出世した方であれば、現在のポストを捨てて退職するのも考えものだからです。
そこで、波風を立てず、会社に残りつつ残業代を請求するには以下のような対処が考えられます。
(1)和解による解決を目指す
可能な限り、裁判ではなく話し合いによる解決を目指しましょう。
管理職に残業代を支給しない会社では、ご自身だけでなく、他の管理職の方も残業代をもらっていないと考えられます。
そこで、個人的な要求という形ではなく、会社のために制度の改善を求めるという形で残業代の支給を提案してみましょう。
今後において改善が見込めるのであれば、今までの未払い残業代の受取額についてはある程度譲歩して交渉するのも有効かもしれません。
(2)労働基準監督署へ相談する
会社との交渉が難しい場合は、労働基準監督署へ相談するのも有効です。
労働基準監督署には匿名で相談すること可能です。
調査の結果、労働基準監督署から指導・助言や是正勧告が行われると、会社も対応を改善してくれる可能性があります。
(3)弁護士へ相談する
とはいえ、やはりベストな解決方法は、弁護士へ相談することです。
一般的には弁護士を立てて会社に請求を行うと波風が立ってしまうこともありますが、労働問題に精通している弁護士は状況に応じて問題を解決するための知識とノウハウを持っています。
経験豊富な弁護士に依頼することで、会社と波風を立てずに解決を図ることも期待できます。
配信: LEGAL MALL