3、勤務先の休みが少ないかをチェック
勤務先の休みが多いのか少ないのかを判断するためには、一定の基準が必要です。
あなたの会社は本当に休みが少ないのか、確認してみましょう。
この項では、まず全業種の年間休日日数の平均を紹介した上で、業種別の年間休日日数の平均を紹介いたします。
(1) 年間休日日数の平均
「年間休日」とは、会社が定める1年間の休日数のことをいいます。
何を「休日」とするかは会社ごとに異なります。
しかし、有給休暇や特別休暇は含まれず、土日祝祭日、夏季休暇、年末年始休暇は含まれるのが一般的です。
そして、厚生労働省の調査(平成30年就労条件総合調査の概況)によれば、平成29年の年間休日総数の1企業平均(企業で取得した年間休日日数を企業数で除した数)は「107.9日」、労働者1人平均(企業の労働者数×当該企業の年間休日日数の合計を労働者の合計で除した数)は「113.7日」ということでした。
したがって、「108日」から「114日」が一般的な年間休日日数の目安となります。
(2)業種別年間休日日数の平均
ここで、業種によって年間休日日数に違いがあることに注意が必要です。
厚生労働省の調査によると、主な業種別の1企業平均の年間休日日数(平成30年就労条件総合調査の概況)は、以下のとおりです。
宿泊業、飲食サービス業
97.1日
運輸業、郵便業
100.3日
建設業
104.0日
生活関連サービス業、娯楽業
104.6日
卸売業、小売業
105.7日
医療、福祉
109.4日
製造業
111.4日
教育、学習支援業
112.7日
電気、ガス、熱供給、水道業
116.8日
金融業、保険業
118.4日
学術研究、専門、技術サービス業
118.8日
情報通信業
118.8日
上記の調査結果からすると、「宿泊業、飲食サービス業」、「建設業」、「運輸業、郵便業」は休みが少ない状況のようです。
他方で、情報通信業は新しい業種で、比較的自由な働き方が許されていることもあって休みが多い傾向にあります。
4、休みが少ない会社はたくさん稼げるとは限らない!
休みが少なければその分だけ働いているということ。
ということは、給与も高いのでは?とも思えますが、実はそうとも限りません。
(1) まずは給与相場をチェック
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」(平成30年度)によれば、業種別の月間現金給与額は以下のとおりです。
飲食サービス業等
12万6227円
運輸業、郵便業
35万6637円
建設業
40万5221円
生活関連サービス業等
20万6663円
卸売業、小売業
28万6188円
医療、福祉
29万8182円
製造業
39万2305円
教育、学習支援業
38万4132円
電気、ガス業
55万7255円
金融業、保険業
48万2054円
学術研究等
47万1297円
情報通信業
49万8273円
休みが少ない業種から順に並べてみましたが、下の業種へ進むほど給与が多くなる傾向にあることが分かります。
つまり、休みが少ないからといって必ずしも給与が多い(お金を稼げる)、ということにはならないのです。
(2) 休みが少ないことで弊害を感じモチベーションを保てない場合は転職も視野に
休みが少ない会社は人を潤沢に雇えるほどの利益を確保できておらず、今いる人材を酷使せざるをえない、という状況に陥っている可能性があります。
また、待遇面でも優遇を受けづらいことが考えられます。
休みが少ない上に高待遇を受けづらいとなると、仕事に対するモチベーションを保つことが難しくなります。
モチベーションを保てない場合、仕事を継続することが難しくなりますから転職を検討してみてもよいでしょう。
配信: LEGAL MALL