年齢別・BMIの基準値
BMIの年齢別の特徴は令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査によると、20歳代の女性のやせ(BMI18.5未満)が20.7%、男性は肥満(BMI25以上)が40歳代が39.7%、50歳代が39.2%です。
65歳以上の低栄養の傾向(BMI20以下)の割合は男性12.4%、女性20.7%で、年齢が上がるにつれ割合が上がっています。
日本人の食事摂取基準(2020版)では疾患別の発症率・総死亡率・死因とBMIの関連などを総合的に判断し、BMIの目標値を定めています。
10代~20代のBMIの基準値
年齢(歳)
目標とするBMI(kg/m²)
18~29
18.5~24.9
30代のBMIの基準値
年齢(歳)
目標とするBMI(kg/m²)
30~39
18.5~24.9
40代のBMIの基準値
年齢(歳)
目標とするBMI(kg/m²)
40~49
18.5~24.9
50代のBMIの基準値
年齢(歳)
目標とするBMI(kg/m²)
50~59
20.0~24.9
60代のBMIの基準値
年齢(歳)
目標とするBMI(kg/m²)
60~64
20.0~24.9
65~69
21.5~24.9
70代のBMIの基準値
年齢(歳)
目標とするBMI(kg/m²)
70歳以上
21.5~24.9
BMIが高いとどんな病気を発症しやすい?
BMIは高すぎると高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。BMIの分類では25以上は「肥満」にあてはまり、体脂肪が過剰に蓄積している状態です。肥満があり、肥満に関連する生活習慣病などの合併や発症するリスクが高い場合、「肥満症」と診断されます。医学的に減量治療が必要です。
糖尿病
糖尿病とは血糖を下げるインスリンというホルモンの作用不足により、高血糖が続く病気です。遺伝や環境が発症の主な原因です。
内臓脂肪型の肥満(メタボリックシンドローム)では、2型糖尿病の発症リスクが3~7倍上昇します。
慢性的な高血糖の状態は動脈硬化が進行し、合併症を起こすリスクが高まります。糖尿病特有の合併症は網膜症・腎症・神経障害です。
食事療法と運動療法が治療の基本です。肥満があり、減量が必要な場合は、現体重からまずは3%の減量を目指します。
食事療法と運動療法で十分な効果が得られない場合は薬物療法を併用します。
健康診断で血糖やHbA1cの高値を指摘されたり、体重減少・口渇・多飲・多尿・倦怠感などの症状がある場合はすみやかに一般内科を受診しましょう。
高血圧
高血圧とは血圧が高い状態です。診察室での収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。食塩摂取過剰・肥満・過剰飲酒・喫煙などが原因です。肥満があると標準体重者より、1.5~2.5倍高血圧のリスクが増加すると推定されています。
高血圧は動脈硬化を進行させ、脳卒中・心疾患・慢性腎臓病を発症するリスクが高まります。
治療法は食塩制限・標準体重の維持・節酒・禁煙など生活習慣の改善が基本です。肥満症を合併している場合は、現体重から3%の減量で降圧効果が期待できます。生活改善で効果が不十分であったり、合併症がある場合など、必要に応じて薬物療法を検討します。
健康診断で高血圧を指摘されたり、家庭での血圧が基準値を越える状態が続くようなら早めに一般内科を受診しましょう。
脂質異常症
脂質異常症とは、脂質の代謝異常の状態です。LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満、中性脂肪(空腹時)150mg/dL以上が診断基準です。低HDLコレステロール・中性脂肪高値は肥満との関連があります。脂質異常症は動脈硬化を進行させ、心疾患・脳血管疾患などの合併症を起こすリスクが高まります。
摂取エネルギー過剰・肥満・過剰飲酒・運動不足が主な原因です。女性は閉経するとホルモン分泌が少なくなるため、LDLコレステロールが上昇しやすくなります。
適正量のエネルギー摂取・飽和脂肪酸やコレステロールの摂取制限・食物繊維を多く含む食品を多く摂るなどの食事療法と運動療法が治療の基本です。肥満がある場合は、3~6ヶ月間で現体重より3%減量し、維持することで、改善が期待できます。
生活改善を行っても下がらない場合は薬も併用していきます。
健康診断で脂質異常症を指摘されたら早めに一般内科を受診しましょう。
配信: Medical DOC