「BMIの基準値」はご存知ですか?男女別・年齢別の基準値も医師が徹底解説!

「BMIの基準値」はご存知ですか?男女別・年齢別の基準値も医師が徹底解説!

BMIが低いとどんな病気を発症しやすい?

BMIが低いと、栄養不足になっていることが多いため、貧血や疲労感や月経不順などを引き起こします。摂食障害や低栄養は食事量が少なく、エネルギー摂取不足から低体重となり、BMIが低くなります。
20~30代の女性の低体重はダイエットや偏食が原因になることが多いです。月経不順や貧血、将来骨粗しょう症を発症したり、若年から妊娠期にかけての低栄養により、子どもの将来の生活習慣病発症のリスクを高める危険があります。
高齢者の低体重は、食欲や消化能力の低下や噛む力・飲み込む力の低下などが原因となり、栄養不足から低栄養を招きます。免疫力の低下・認知機能の低下・骨折しやすくなるなどのリスクを高めます。

月経不順

月経不順とは正常の月経周期日数にあてはまらないものです。正常の月経周期日数は25~38日と定義されています。
原因は急激なダイエットや肥満・ストレスなどによるホルモンバランスの乱れなどです。
過度なダイエットによるやせ・肥満がある場合は食事療法やカウンセリングが治療の基本です。月経不順の原因・年齢などによってはホルモン療法や漢方薬を検討します。
月経不順は不妊の原因となる場合もあります。正常と異なる月経周期日数が続く場合は婦人科を受診しましょう。

神経性やせ症

神経性やせ症とは摂食障害の症状の一つです。自らの意思での摂食拒否・著しいやせ・体重増加への強い抵抗などが主症状です。
発症は若年の女性に多くみられますが、年齢や性別問わず発症する可能性はあります。発症の原因は心理的・社会的などさまざまです。うつ病や統合失調症などの精神疾患を合併している場合もあります。低体重が原因で現れる症状は、低血圧・脱水・浮腫・低体温などです。
重症度に応じて、外来治療または入院治療にてカウンセリングや食事療法を行います。緊急性がある場合や、摂食拒否が強い場合は経腸栄養や高カロリーの点滴を行います。
神経性やせ症は早期発見と適切な治療が重要です。疑わしい症状がある場合は、すみやかに心療内科や精神科を受診しましょう。

低栄養

低栄養とは主にエネルギーとたんぱく質の不足により、必要な栄養素が不足した状態です。
原因は、栄養素の摂取不足・吸収や代謝障害・甲状腺機能亢進症やがんなどにより、必要エネルギー量の増大などです。高齢期でBMIが20以下では低栄養のリスクが高まります。
症状は体重減少・貧血・疲労感・倦怠感・むくみなどです。免疫力が低下し、感染症にもかかりやすくなります。栄養不足は体の筋肉を分解し、痩せていても体脂肪率が高い隠れ肥満になるおそれがあります。
治療法は通常、口からの栄養補給です。一日3食、主食・主菜・副菜をそろえた食事にして、エネルギー・たんぱく質・ミネラル・ビタミンなどの栄養素を十分に摂取します。
低栄養の原因となる病気がある場合は、その治療を行います。
食欲不振が続いたり、体重減少、貧血、下半身のむくみなどがある場合は一般内科を受診しましょう。

BMIが25以上の人が生活習慣で注意するべきこと

BMIが25以上で内蔵脂肪蓄積型の肥満の場合は、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。
肥満を解消することは、生活習慣病の発症予防や改善効果があります。標準体重や普通体重の維持が理想ですが、まずは現体重から3%の減量を目標にしましょう。

摂取エネルギーを適量にしましょう

肥満はエネルギー摂取量が消費量を上回り、過剰分が体脂肪として体に蓄積された状態です。肥満の解消には適正量のエネルギー摂取にしましょう。
適正量は、25kcal×目標体重(kg)以下/日、(高度肥満症の場合には一日20~25kcal×目標体重(kg)以下/日)です。

目標体重が60kgの場合:25kcal×60(kg)=1日1500kcal以下
高度肥満症:20~25kcal×60(kg)=1日1200~1500kcal以下
になります。

寝ている間はエネルギーが消費されにくいため、一日の摂取エネルギーが同じであっても、夕食のエネルギー過多や遅い時間の摂取は肥満につながりやすいです。3食のエネルギーを均等にする、または夕食のエネルギーが朝食・昼食より少なくなるように摂取することをおすすめします。
菓子・ジュースやコーヒーなどの糖入り飲料・アルコールによって摂取エネルギーが過剰になっている場合も多いため、それらを減らすことは摂取エネルギーの減少に効果的です。
極端な食事制限は体重減少の効果は早く現れますが、継続が難しいこと、筋肉量の減少により基礎代謝が落ちやすくなるためおすすめできません。1か月に1~2kgの体重減少を目標にしましょう。

いろいろな栄養素を摂りましょう

糖質が多く、たんぱく質が少ない食事は肥満と関連します。
丼物や麺類やパンのみの食事ではなく、定食のように主食(ごはんやパンやめん)・主菜(肉や魚や大豆製品や卵)・副菜(野菜や海藻やきのこ)をそろえた食事にすると、栄養素をバランスよく摂取できるためおすすめです。
十分な食物繊維の摂取は体重減少に効果があります。目標量を満たすよう摂取しましょう。

日本人の食事摂取基準(2020年版)食物繊維摂取目標量

男性
女性

18~64歳
21g以上
18g以上

65歳以上
20g以上
17g以上

ゆっくり食べましょう

早食いはエネルギー摂取量とは独立して肥満と関連します。満腹中枢が刺激されるには食事をしてから15~20分かかるため、早食いをすると満腹を感じる前に食べ過ぎてしまい、摂取エネルギー過剰の原因になります。
一般的に一日のエネルギー摂取量が一番多くなるのが夕食です。また、内臓脂肪は夜に蓄積されます。早食いの習慣がある方は、まずは夕食が早食いにならないように意識してみましょう。
おすすめの食べ方は野菜や海藻など低エネルギーの副菜をゆっくりと時間をかけて食べ、そのあと主菜や主食をゆっくり食べることです。

早食いを予防するには

よく噛んで食べましょう。30回咀嚼してから飲み込むことをおすすめします。

一口ごとに箸やフォークを置きましょう。

一口の量を減らしましょう。

嚙みごたえのある食材を選ぶと噛む回数が自然に増えます。

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