「便秘の原因」はご存知ですか?なりやすい人の特徴や解消法も解説!【医師監修】

「便秘の原因」はご存知ですか?なりやすい人の特徴や解消法も解説!【医師監修】

一度は、何日も排便がない、便を出し切れず残った感じがするなど排便について悩んだことがあるのではないでしょうか。

どちらも便秘と呼ばれる状態です。便秘になる原因には生活習慣の乱れや病気などさまざまな原因があります。

この記事では、便秘の種類・原因・便秘の解消方法について解説します。便秘でお悩みの方の参考になれば幸いです。

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監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

便秘のタイプと原因

機能性便秘の原因を教えてください。

機能性便秘とは、大腸がうまく働かなくなったことで引き起こされる便秘です。食生活や生活リズムのバランスが崩れたことによって起こることがほとんどです。機能性便秘はさらに3つに分類することができます。

弛緩性便秘

痙攣性便秘

直腸性便秘

弛緩性便秘は食物繊維の摂取不足や運動不足、腹筋の筋力不足によって起こります。これらが不足することで大腸の動きが悪くなり、大腸のなかに便が留まって便秘になります。運動量が少ない高齢者や若い女性、妊婦の方がなりやすいです。痙攣性便秘は大腸の緊張によってぜん動運動が強くなり、腸が痙攣して肛門まで便をうまく運べない状態です。職場や家庭で過度なストレスがある、ストレス解消を苦手とする方がなりやすいとされています。直腸性便秘は、通常便が直腸に到達すると便意を催すのですが、その便意を催さない状態のことです。便意を我慢したり、浣腸を乱用したりする方によくみられます。朝の身支度に時間がかかり、トイレの時間を確保できない方にもみられます。

器質性便秘の原因を教えてください。

器質性便秘は小腸・大腸・肛門など、腸内に何らかの病気があり、便の通過障害が起こることでなる便秘です。便秘の原因が病気にあるので、病院での治療が必要になります。原因となりえる病気は、大腸がん・腸管の癒着・潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患・直腸瘤などです。

症候性便秘の原因を教えてください。

症候性便秘は、ホルモンの分泌異常や神経系の異常により腸管の動きが弱まることで起こる便秘です。原因となりえる病気は糖尿病・甲状腺疾患・脳血管障害・パーキンソン病・自律神経疾患・膠原病などがあります。

薬剤性便秘の原因を教えてください。

薬剤性便秘は薬の副作用で起こる便秘のことです。薬の種類によっては大腸のぜん動運動を抑えてしまうので、それが原因で起こります。ぜん動運動を抑える副作用がある薬は、抗うつ薬・抗コリン薬(ぜん息や前立腺肥大、パーキンソン病などの薬)・咳止めなどによくみられます。その他、下剤を乱用することで自身でのぜん動運動が困難になり自然と便が出ない状態でおこる便秘も薬剤性便秘の一つです。

便秘の症状・なりやすい人

便秘とはどのような状態ですか?

便秘とは、身体の外に出すべきふん便を快適に適切な量を排出できない状態のことです。一般的には週に2回以上の排便がない状態が1ヵ月以上続くこととの定義があります。ですが、排便習慣には個人差があるので、便が排出できないことのほかに症状がなければ便秘症とも限りません。

便秘の症状を教えてください。

便秘と呼ばれる状態はいくつかあります。

普段より排便回数が少ない

排便時に以前より過度にいきむ必要がある

便が硬くて排出できない

便を出し切っていない残便感がある

これらに一つでも当てはまれば便秘ととらえましょう。

便秘になりやすいのはどのような方ですか?

便秘になりやすいのは、50歳以下だと女性の方が優位です。筋肉量の減る70歳以上では、排便時にいきみにくくなるので男女差がなくなっていきます。若い人では食物繊維・水分の摂取不足、ストレス、便意を我慢するなどの習慣がある方がなりやすいです。

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