「網膜芽細胞腫」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

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網膜芽細胞腫の治療

網膜芽細胞腫の治療は、腫瘍の大きさや進行状況、片目か両目かによって、適切な方法が選択されます。
網膜芽細胞腫では、視力への影響や見た目を考慮して、眼球を摘出するかどうかの判断を慎重に行う必要があります。腫瘍が眼球外に広がっている場合は、眼球の摘出が第一選択肢となりますが、腫瘍が眼球内にとどまっている場合は、できるだけ眼球を温存する治療法が検討されます。

放射線療法

腫瘍が目の中にとどまっていて、比較的小さい場合には、腫瘍を縮小したり破壊したりすることを目的に放射線療法が検討されます。この治療法では、放射線を腫瘍に直接照射し、がん細胞を攻撃します。
しかし、乳幼児に対して放射線療法ができる医療機関は限られているため、治療を受けられる病院が少ないのが現状です。

レーザー治療や凍結療法

小さな腫瘍に対しては、レーザー治療や凍結療法が行われる場合もあります。レーザー治療ではレーザー光を使って腫瘍を焼き、凍結療法では低温で腫瘍を凍らせて破壊します。

化学療法

化学療法では、抗がん剤を全身に投与して腫瘍を小さくします。腫瘍が大きい場合や、複数の腫瘍が存在する場合、または他の治療法と組み合わせて行われることが多いです。化学療法は、腫瘍が再発した場合にも使用され、腫瘍の成長を抑える役割を果たします。

眼球摘出

腫瘍が非常に大きい場合や視力が失われている場合、または命を脅かすほど進行している場合には、眼球を摘出する手術が行われることがあります。

眼球摘出は、腫瘍が他の部位に転移するリスクを減らすために行われます。摘出後は外見上の配慮から義眼を使用します。

網膜芽細胞腫になりやすい人・予防の方法

網膜芽細胞腫は主に幼い子どもに発症する病気で、家族に同じ病気の人がいる場合は発症リスクが高まります。遺伝の影響があるため、予防は難しいですが、家族にこの病気の人がいる場合には、早い段階で発見することが重要です。

子どもが生まれてからすぐに眼科での定期検診を受けると、腫瘍を小さいうちに見つけることができます。
また、両眼性網膜芽細胞腫の発症に関わるRB1遺伝子に異常があるとわかっている場合は、専門医と相談しながら、定期的に目の状態をチェックすることが重要です。

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参考文献

日本小児血液・がん学会「5章 網膜芽細胞腫」

日本眼科学会「網膜芽細胞腫」

国立がん研究センター がん情報サービス「小児の網膜芽細胞腫」

日本癌治療学会「小児がん がん心療ガイドライン」

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