「骨折」して放置するとどうなるかご存知ですか? 治療法を併せて医師が解説

「骨折」して放置するとどうなるかご存知ですか? 治療法を併せて医師が解説

骨折の前兆や初期症状について

骨折は、症状が明確でない場合もありますが、いくつかの前兆や初期症状に気をつけることで早期発見が可能です。
以下に、骨折の主な前兆や初期症状を示します。

激しい痛み:
骨折の最も一般的な症状は、骨が折れた部位の激しい痛みです。痛みは、骨が折れた瞬間から始まり、動かすとさらに強くなります。痛みが強くなると、その部位を動かせなくなることもあります。
腫れやあざ:
骨折した部分が腫れたり、青黒く変色することがあります。これは、骨折によって血管が損傷し、内出血が起こるためです。腫れやあざは骨折直後に見られることが多いですが、時間が経つにつれて症状が顕著になることもあります。
異常な動き:
骨折があると、通常では動かない方向に骨が動いたり、関節が異常な位置に見えることがあります。これは、骨が完全に折れてしまい、正常な位置を保てなくなったためです。
変形や短縮
骨折した部分が変形し、異常な形になることがあります。特に四肢(腕や脚)での骨折では、骨がずれて短くなったり、変な角度で曲がったりすることがあります。
痛みによる動作制限:
骨折部位を動かすと強い痛みが生じるため、その部分を動かすことができなくなることがあります。例えば、腕の骨折では腕を上げることができず、足の骨折では歩行が困難になります。

骨折の検査・診断

骨折の疑いがある場合は、医師による診察と検査が必要です。早期に正確な診断を行い、適切な治療を始めることで、骨が正しく癒合し、後遺症を防ぐことができます。以下に、骨折の診断に用いられる主な検査方法を示します。

レントゲン検査

骨折の診断には、最も一般的に使用されるのがレントゲン検査です。レントゲン撮影によって、骨の状態や折れ方、ずれの程度などを確認します。レントゲンは非侵襲的で迅速に結果が得られるため、骨折の診断には欠かせない検査です。

CTスキャン

複雑な骨折や骨の細かい部分の損傷が疑われる場合には、CTスキャンが使用されます。CTスキャンは、骨の断面を詳細に撮影することができ、レントゲンでは確認しにくい部分も評価できます。特に、顔面骨や関節周辺の骨折診断に有効です。

MRI検査

MRIは、骨だけでなく軟部組織(筋肉や靭帯、神経など)の状態も詳細に映し出すことができるため、骨折に伴う軟部組織の損傷や血流障害などを調べるのに適しています。疲労骨折の早期診断にも有効です。

骨密度検査

骨粗鬆症が疑われる場合や、高齢者の骨折が発生した場合には、骨密度検査を行うことがあります。この検査では、骨の強度を測定し、骨粗鬆症のリスクを評価します。

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