ジスキネジアの前兆や初期症状について
ジスキネジアの初期症状は、しばしば軽度で見逃されがちですが、次第に進行することが多いです。症状は、体のさまざまな部位に現れ、動きに影響を与えます。
以下に、ジスキネジアの主な前兆や初期症状を挙げます。
顔や口の不随意運動
ジスキネジアは、まず顔面や口の周りの筋肉に現れることがよくあります。典型的な症状として、口をもぐもぐと動かす、舌を突き出す、唇を動かすなどの不随意運動が見られます。このような動きは、日常生活で目立ちやすく、会話や食事中に支障をきたすことがあります。
手足の異常な動き
初期の段階では、手や足が意図せずに勝手に動くことがあります。これには、手の震えや足の不規則なけいれんが含まれます。これらの動きは、特に静止時に現れることが多く、動作中には軽減することもあります。
体幹や首のねじれ
症状が進行すると、体幹や首の筋肉に異常な動きが現れることがあります。これには、体がねじれたり、首が異常な角度で動いたりする動きが含まれます。これにより、姿勢が不自然になり、体のバランスを保つことが困難になることがあります。
不規則なまばたき
まばたきの頻度が異常に増えたり、まばたきの動きが強調されたりすることがあります。これもジスキネジアの初期症状として現れることがあり、特に顔面の筋肉が影響を受けやすいです。
痙攣やけいれん
ジスキネジアの症状が進行すると、けいれんや痙攣のような動きが増加することがあります。これらの動きは、手足だけでなく、体全体に広がることがあり、無意識に発生するため、患者にとっては大きな負担となります。
ジスキネジアの検査・診断
ジスキネジアの診断は、患者の症状や過去の治療歴、特に薬物使用に関する情報をもとに行われます。
具体的には、以下のような検査や診断手順が取られます。
問診と身体検査
医師は、まず患者の症状について詳しく聞き取ります。どの部位に不随意運動が発生しているのか、症状の進行具合や、薬物の使用歴があるかどうかを確認します。特に、抗精神病薬やレボドパなどの薬物使用があれば、その期間や量も重要な情報です。次に、身体検査を通じて、どの筋肉が異常な動きをしているのかを確認し、症状の重さや範囲を評価します。
画像診断
脳の異常を評価するために、CTやMRIが行われることがあります。これにより、基底核や黒質などの運動を制御する脳の領域に異常がないかを確認します。特に、脳の構造的な損傷や変性が原因でジスキネジアが発生している場合、この検査が役立ちます。
血液検査
血液検査では、特定の神経伝達物質やホルモンのバランスを評価することができます。ジスキネジアの原因が薬物の副作用や代謝異常に関連している場合、血液検査がその診断をサポートします。
神経学的検査
神経学的検査は、筋肉の反射や動きを詳細に評価するために行われます。医師は、患者の反射や感覚機能、運動機能をテストし、異常な運動がどの程度神経系に影響を与えているかを確認します。
配信: Medical DOC