アルポート症候群の治療
アルポート症候群は根本的な治療法が確立されていません。そのため、アルポート症候群の治療の目的は、主に腎機能低下の進行を遅らせ、症状をコントロールすることにあります。
薬物療法
腎臓の保護を目的に、薬物療法を行います。特に重要なのが血圧の管理です。血圧が高くなると、タンパク尿の量が増えてしまい、腎臓機能の低下につながります。そのため、腎臓への負担を軽減するために、血圧を下げる降圧薬が使われます。
透析治療や腎臓移植
アルポート症候群が進行し、腎不全に至った場合、透析治療や腎臓移植が必要です。
透析は正常な腎臓が行っている老廃物の除去や水分のコントロールなどのはたらきを、機械で行う治療法です。
一方、腎臓移植は、機能が低下した腎臓の代わりに、正常な腎臓を移植する治療法です。移植後は、拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を使います。
アルポート症候群になりやすい人・予防の方法
アルポート症候群は、遺伝子の変異によって起こる病気のため、家族に同じ病気の方がいる場合は、発症する可能性が高くなります。もし、家族にアルポート症候群の患者さんがいる場合は、無症状でも早めに尿検査や遺伝子検査などを受けることをおすすめします。
遺伝性の病気のため根本的な予防は難しいですが、病状の悪化を防ぐためにも、早期発見・早期治療が望まれます。血尿が確認された場合など、できるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。
関連する病気慢性腎不全
感音性難聴
角膜異常(角膜混濁)
糸球体腎炎
突発性難聴
参考文献
日本小児腎臓病学会「アルポート症候群診療ガイドライン2017」
難病情報センター「アルポート症候群(指定難病218)概要・診断基準等」
難病情報センター「アルポート症候群(指定難病218)病気の解説」
一般社団法人 日本腎臓学会「Alport症候群」
一般社団法人 日本腎臓学会「9.小児の腎疾患-一般のみなさまへ」
配信: Medical DOC
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