心房中隔欠損症の治療
心房中隔欠損症の治療には、カテーテル治療と外科手術があります。
穴が小さい場合(5mm未満)は自然に閉じることもあり、しばらく経過観察となる場合もあります。心不全になっていればすぐに手術が必要ですが、無輸血開心術が可能な4〜6歳に手術をおこなうのが一般的です。
カテーテル治療
穴が小さい場合は、カテーテルと呼ばれる細長い管を使って心房の穴をふさぐ治療をおこないます。
具体的には、太もものつけ根の太い血管から心臓(左心房)までカテーテルを入れて、折りたたみ傘のような形をした装置(閉鎖栓)を穴のところでずれないよう確認しながら広げ、穴を閉じます。
外科手術
穴が大きい場合や穴が空いている位置によってはカテーテル治療が難しいため、手術をおこないます。また心房中隔欠損症以外に一緒に手術した方がよい、その他の心臓病がある場合も手術の適応となります。
手術には2種類あり、①心臓を開き穴にパッチというあてものをする方法、②直接心臓の穴を縫って閉じる方法があります。
手術中は心臓の動きを止める必要があるので、人工心肺とよばれる心臓と肺の役割を果たしてくれる装置を使用します。
穴が大きい場合は穴を通る血液の量が多くなり、心臓に負担がかかりさまざまな合併症をおこすため、症状がなくても見つかったら早めに治療します。
心房中隔欠損症になりやすい人・予防の方法
生まれつきある心臓の病気であるため、予防はできません。
子どもの頃は無症状で経過することが多く、気づかないまま大人になることもあります。
健康診断等で心雑音や心電図の異常を指摘された場合には、必ず循環器内科等の専門医を受診しましょう。
心房細動
心臓弁膜症
肺高血圧症
参考文献
心房中隔欠損症|日本小児循環器学会
カテーテル検査と治療|日本小児循環器学会
日本循環器学会 成人先天性心疾患診療ガイドライン(2017年改訂版)
心房中隔欠損症|日本小児外科学会
配信: Medical DOC
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