外リンパ瘻の前兆や初期症状について
外リンパ瘻の初期症状として、難聴(感音性難聴)や耳鳴り、めまい、体のふらつきなどが現れることがあります。
症状は徐々に進行したり、変動したりするケースが多いです。
耳鳴りは「シャーシャー」といった水の流れるような音が生じることが特徴です。
その他には耳閉感(耳が詰まる感覚)や頭重感、ふらつきによる歩行障害が起こることがあります。
症状の程度は個人差が大きく軽度から重度までさまざまで、症状が単独で起こることもあれば、複数現れることもあります。
難聴やめまい、体のふらつきなどの症状は適切な治療を受けなければ、後遺症として残る可能性があります。
外リンパ瘻の検査・診断
外リンパ瘻が疑われるときは、純音聴力検査や頭位眼振検査、画像検査などの検査をおこないます。
その後、内視鏡検査やCTP検査によって、瘻孔や外リンパの特異的蛋白が確認できれば確定診断になります。
純音聴力検査
純音聴力検査は防音室でヘッドホンを装着し、さまざまな周波数と音量の音を聞いて、聞こえの程度を調べる検査です。
外リンパ瘻では、感音性難聴が認められます。
頭位眼振検査
頭位眼振検査は、頭の位置を変えた時にめまいや眼振が生じるか確かめる検査です。外リンパ瘻では障害側の眼球に症状がでることがあります。
眼振は指で耳の穴を圧迫したときに強まるのも特徴です。
画像検査
画像検査ではX線を使用して体の断層像を撮影するCT検査をおこない、耳側の頭蓋骨である側頭骨や、中耳や内耳の骨の骨折などを確かめます。
内耳に泡が生じる迷路気腫が発見された場合は、外リンパ瘻の可能性がより高くなります。
内視鏡検査
鼓膜を切開したうえで内視鏡を挿入し、中耳の状態を確認します。
外リンパ瘻では卵円窓(前庭窓)などの瘻孔や、瘻孔から外リンパや髄液が漏れる所見が認められます。
CTP検査
CTP検査は、外リンパの特異的蛋白を調べる検査です。
鼓膜を切開した後に中耳を生理食塩水で洗浄し、洗浄した液からCTPが検出されるか調べます。
CTPが検出された場合は、外リンパ瘻の確定診断になります。
配信: Medical DOC