外リンパ瘻の治療
外リンパ瘻の治療では、瘻孔が自然に閉鎖する可能性がある場合、保存療法が適用されます。
保存療法で十分な効果が得られない場合や、症状が悪化する場合、再発を繰り返す場合などは手術療法が検討されます。
保存療法
保存療法では、脳脊髄圧を下げるために、仰向けで頭を30度ほど挙げた状態で安静にします。
炎症を抑えるためにステロイド薬も投与し、瘻孔が自然閉鎖するのを待ちます。
手術療法
手術療法では瘻孔閉鎖術や内耳窓閉鎖術が選択されます。
どちらの手術も、耳の周りから採取した筋膜や軟骨膜などを使用して瘻孔がある部分を閉鎖します。
外リンパ瘻になりやすい人・予防の方法
外リンパ瘻は中耳圧や脳脊髄圧に影響するダイビングやプールなどの水中に潜るスポーツ、飛行機の搭乗を頻繁にする人に起こりやすいです。
鼻を強くかんだり、排便のためにトイレでいきんだりすることでも発症しやすくなります。
外リンパ瘻の予防のためには、日常生活で耳に大きな圧力を加えないことが大切です。
水中で長時間潜って息を止めたり、重い荷物を抱える場面やトイレの排泄で必要以上にいきんだりすることは控えましょう。
難聴や耳鳴りなどにより外リンパ瘻の発症が疑われる場合は、症状の悪化を防ぐためにできるだけ早く耳鼻咽喉科に受診することも大切です。
関連する病気
頭部外傷
半規管裂隙症候群
内耳振盪症
外傷性遅発性内リンパ水腫
外傷性良性発作性頭位めまい症
参考文献
難病情報センター6)耳鼻科疾患分野|外リンパ瘻(平成24年度)
一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会耳の病気
Equilibrium Res3.外リンパ瘻 診断基準の改定と臨床所見の特徴
一般社団法人日本耳科学会「外リンパ瘻の診断におけるCochlin-tomoprotein(CTP)検査の運用指針」発表にあたって
耳鼻咽喉科展望外リンパ瘻症例の臨床的検討
配信: Medical DOC
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