「くも膜下出血」を発症すると首にどんな「痛み」を感じるの?初期症状も医師が解説!

「くも膜下出血」を発症すると首にどんな「痛み」を感じるの?初期症状も医師が解説!

すぐに病院へ行くべき「くも膜下出血の前兆」

ここまではくも膜下出血の前兆となる症状を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

今まで経験したことのない突然の頭痛症状の場合は、脳神経外科へ

今まで経験したことのないような突然の強い頭痛(例えるなら、後ろからバットで殴られたような、雷が落ちてきたような頭痛)は、くも膜下出血の可能性があります。直ちに脳神経外科を受診し、頭部CTや頭部MRIなどで精査が必要になります。同時に嘔吐や意識消失を伴うこともあり、救急車による搬送が必要となる場合もあります。

受診・予防の目安となる「くも膜下出血の前兆」のセルフチェック法

・中程度の頭痛症状がある場合
首後ろを中心とした頭痛や肩凝りといった症状が出現し、強弱の波が少なく、寝ても覚めても強い頭痛が続く、時に吐き気やめまいを伴うような症状の場合、警告頭痛の可能性があります。動脈瘤が大きく破裂する前兆の可能性があるため、脳神経外科を早期に受診しましょう。またもともと頭痛もちの人でも、少しでもいつもと違う突然の頭痛、と感じる場合には注意が必要です。
・物が二重に見える、瞼が下がる症状がある場合
破裂の直前に、急激に増大した脳動脈瘤が周辺の神経を圧迫することで、急に片方の瞼が下がってきたり、視力が低下したり、物が二重に見えてきたりといった症状を認める場合もあります。これらも頭痛と合わせて破裂する前の症状のことがありますので注意が必要です。

くも膜下出血の前兆となる症状を予防する方法

脳ドックなどの画像検査を受ける

くも膜下出血の原因の多くは脳動脈瘤です。
脳動脈瘤の多くは無症状であり、気づかずに破裂して重症な状態になるため、事前に見つけておくことが最大の予防方法です。発見には脳の血管が確認できる頭部MRI・MRAや造影CT等が必要となるため、脳ドックを受診したらたまたま発見された、というケースも多くあります。
なお、脳動脈瘤ができる原因は残念ながらはっきりわかっていませんが、女性や家族歴(血縁者に脳動脈瘤と言われている人や、くも膜下出血を起こした人がいる)のある人がリスクと言われているので、特に近親者に同じ病気の人がいれば積極的に脳ドックの受診を検討してみても良いでしょう。
もし脳動脈瘤を認めた場合は専門である脳神経外科を受診し、破裂を予防するための治療を行うべきかを判断されます。動脈瘤が小さい場合は定期的な画像検査で経過観察をすることもありますが、大きい場合は、残念ながら薬では治すことはできませんので、開頭による動脈瘤のクリッピング術やカテーテルによる脳動脈瘤コイル塞栓術といった外科治療が必要になります。
脳動脈瘤が見つかり経過観察となった場合、日常生活で動脈瘤が大きくなったり破裂したりすることを防がなければなりません。具体的には過剰な飲酒、喫煙、高血圧などが破裂や増大の危険リスクといわれています。従って、脳動脈瘤が見つかった人は特にこれらの行為に注意して生活するようにしましょう。

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