耳に血が溜まる「耳介血腫」放置するとどうなるかご存知ですか?【医師監修】

耳に血が溜まる「耳介血腫」放置するとどうなるかご存知ですか?【医師監修】

耳介血腫の前兆や初期症状について

耳介血腫の初期症状として、耳たぶの腫れや痛みがあらわれます。最初は小さな腫れですが、放っておくとだんだん大きくなり、痛みも強まることがあります。
また、腫れとともに耳の一部が赤くなったり、触ると熱っぽく感じたりすることが多いです。耳の中に血液がたまることで炎症が進むため、腫れが広がるにつれて耳全体が熱を持つように感じられる場合もあります。

さらに、耳介血腫が進行すると耳の形が変わってしまい「カリフラワー耳」と呼ばれる耳介の変形が引き起こされることがあります。カリフラワー耳は耳介血腫の後遺症で、見た目の問題だけでなく、イヤホンや耳栓、ヘッドホンを使うときの違和感や不快感もあります。

また、耳のくぼみが変形すると、耳の穴が狭くなることで音が聞こえづらくなる可能性もあります。耳に触れたときに、柔らかくて液体がたまっているような感触がある場合は、耳介血腫の可能性があるため、気づいた段階で医療機関を受診することが大切です。

耳介血腫の検査・診断

耳介血腫の検査・診断は、主に医師の視診と触診で行います。
耳介血腫と似た症状を引き起こすものとして、蜂窩織炎やケロイド、耳介軟骨膜炎、血管腫、皮膚がん、日焼けなどがあるため、これらとの鑑別を行うことも重要です。

問診・視診・触診

はじめに、耳介の腫れや痛みが生じた経緯や、外傷の有無を聞き取ります。耳にどのような外力が加わったのか、いつから症状があらわれたのかなどを把握することで、原因や治療方針を判断する材料となります。

視診では、耳の腫れの程度や赤み、膨らみ、形状の変化を確認し、血腫かどうかを判断します。また、腫れの感触を確かめることで、血腫がある場合には液体がたまっている状態が確認できます。

超音波検査

視診と触診だけでは判断が難しい場合や、より詳しい検査が必要な場合は、超音波検査(エコー検査)を行います。超音波検査では、腫れの内部に血液がたまっている様子をリアルタイムで確認でき、耳介血腫の正確な位置や大きさ、血腫の状態を把握できます。
痛みをともなわず、短時間で検査が可能なため、患者さんの負担も少なく済むのも特徴です。

関連記事: