上大静脈症候群の前兆や初期症状について
上大静脈症候群を引き起こすと、顔や頸部、上肢、上胸部などにむくみや赤みをともなう腫れが現われたり、血流障害により首や胸部の静脈が浮き出たりすることが特徴的です。
咽頭や喉頭などにむくみが生じると声のかすれや呼吸困難などの症状が現れ、血流量が低下すると心拍出量の低下や頻脈をきたす場合があります。
上大静脈症候群により頭蓋内の圧力が上昇したときには頭痛やめまい、耳鳴り、意識障害が現れることもあります。
上大静脈症候群でみられる症状の重さは、上大静脈の閉塞や圧迫をきたすまでの時間の長さによって大きく異なります。
閉塞や圧迫までの変化が遅い場合には、症状が現われにくいこともありますが、急速に変化した場合には症状が強く現れることが多いです。
上大静脈症候群の検査・診断
上大静脈症候群の診断は、問診や視診、画像検査により行われます。
問診では症状の程度や発症してからの変化、体内に挿入している血管カテーテルの有無などを確認します。
視診ではむくみの症状や首や胸部の静脈の観察、皮膚の色が赤くなったり暗紫色(チアノーゼ)になったりしていないかを確認します。
画像検査では造影CT検査やレントゲン検査が行われます。
レントゲン検査では肺の状態を確認します。
造影CT検査では造影剤の使用し、圧迫や閉塞、血栓形成をきたしている上大静脈の範囲や程度、側副血行路の有無、原因となっているがんや縦隔リンパ節を確認します。
配信: Medical DOC