「上大静脈症候群」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

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上大静脈症候群の治療

上大静脈症候群の治療は、がんによる場合とがん以外による場合で異なります。

悪性腫瘍による上大静脈症候群の治療

悪性腫瘍による上大静脈症候群の治療法は、がん薬物療法や放射線治療、上大静脈ステント術などがあります。

上大静脈症候群の治療では、原因となる悪性腫瘍の治療を優先に考え、がん薬物療法や放射線治療を検討します。

上大静脈ステント術は、ステントという金属製の網目状の筒を上大静脈に挿入し、圧迫や狭窄をきたした上大静脈を広げる手術です。
上大静脈ステント術は、放射線治療と比較して早急な症状の改善が期待できますが、原因疾患に対する根本的な治療ではないため、他の治療と併用しておこなわれます。
治療の適応は、急激な変化により上大静脈症候群をきたした場合や化学療法による治療効果がみられない場合などとされています。
上大静脈ステント術は、高度な技術を必要とするため、受けることができる施設が限られている治療法です。

非腫瘍性の上大静脈症候群の治療

非腫瘍性の上大静脈症候群の原因には静脈血栓症、血管内に留置したカテーテル、ペースメーカーなどがあります。

体内に挿入したカテーテルやペースメーカーにより発症した上大静脈症候群も静脈血栓症に起因することが多く、いずれも抗凝固療法による治療が行われます。

カテーテルやペースメーカーを体内に挿入している場合は、カテーテルの抜去を検討することもあります。

上大静脈症候群になりやすい人・予防の方法

上大静脈症候群の原因の約6割が悪性腫瘍であり、非小細胞性肺がんや小細胞肺がん、悪性リンパ腫、転移性乳がんなどにより引き起こされます。そのためこれらの原因疾患の患者では、上大静脈症候群を発症するリスクが高いと言えるでしょう。

腫瘍性の上大静脈症候群では大きくなったがんが原因となり発症するため、予防のためにはがんの早期発見・治療が大切です。

日頃から禁煙や節酒、バランスの良い食事、適度な運動、適正体重の維持など、健康管理を心がけ、定期的に健康診断、がん検診を受けることが重要です。

関連する病気

非小細胞肺がん

小細胞肺がん

悪性リンパ腫乳がん

参考文献

日本緩和医療学会 がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン(2016年版)Ⅱ章背景知識 7.呼吸困難以外の呼吸器症状)
日本医科学会医学会雑誌薬疹の診断と治療―重症型薬疹への対応―Ⅱ章背景知識 4.がん患者の呼吸困難に関連する特定病態
日本臨床外科医学会雑誌「長期在宅静脈栄養中に併発した上大静脈症候群の1例」
日本集中治療医学会雑誌「末梢挿入型中心静脈カテーテル留置に伴う血栓症」
日本IVR学会総会「技術教育セミナー」胸部ステント 1.上大静脈ステント
第38回日本IVR学会総会「技術教育セミナー」大動脈ステント 2.悪性上大静脈症候群に対する金属ステント治療
大阪大学医学部附属病院「Ⅵ 侵襲処置・医療器具関連感染防止策」

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