「トラウマとPTSDの違い」はご存知ですか?それぞれの症状や原因も解説!

「トラウマとPTSDの違い」はご存知ですか?それぞれの症状や原因も解説!

トラウマとPTSDの違い

トラウマとPTSDは何が違うのですか?

トラウマとPTSDは混同されやすいものの、実際は異なった概念です。トラウマは衝撃的な体験に起因する心の傷とそれに対する反応そのものを指します。反対にPTSDは強烈すぎる恐怖体験からの回復が困難で、日常生活への影響が長期間継続される精神疾患のことです。
PTSDの方が症状の持続時間と影響の深さが圧倒的に優位となるのが大きな違いです。また発症率も異なり、PTSDはトラウマを経験した患者さんのなかでも一部の方のみが発症します。
その他の例では自然に回復するか、適応障害・うつ病のようなほかの精神疾患の症状が現れます。さらに、PTSDは悪夢やフラッシュバックによる再体験が多くみられるのに対し、トラウマは再体験がなくても強い感情的反応を引き起こす恐れがあるでしょう。

トラウマはPTSDの原因になりますか?

基本的にPTSDを発症した患者さんは、共通して強烈な記憶を持っています。トラウマがなければPTSDになる要因も生まれないため、トラウマはPTSDを引き起こす原因になるでしょう。
また、トラウマは周囲からの理解が得にくいことにより、他人の言動を受けて二次的ストレスを起こしやすいです。二次ストレスの方がダメージが大きくなることもあり、トラウマからの回復を阻害してPTSDに発展する可能性も否定できません。

トラウマとPTSDは後遺障害に認定されますか?

後遺障害とは交通事故により受傷した精神的・肉体的傷害が、それ以上治療を受けても残っている状態のことです。状態や程度に応じて1〜14の等級に分類されます。認定されるには、医師による診断および因果関係と障害の程度の証明が必要です。
トラウマの段階では診断が難しいものの、PTSDと診断された患者さんは状態によっては後遺障害に認定される可能性があるでしょう。しかし、肉体的傷害とは異なりレントゲンのような目に見える画像データがないため、事故との因果関係が立証しにくいのが難点です。
後遺障害の認定を受けるには、心の異変を感じた際に早めに医療機関を受診して症状を明確にし、トラウマ体験との因果関係を明確にする点が重要です。

編集部まとめ

この記事では、トラウマとPTSDの特徴と違いを中心に解説しました。心の傷は本人すら目に見えないからこそ、慎重に判断する必要があります。

トラウマは多くの方が持っている一般的な反応です。しかし時間が解決してくれると考えて放置していると、PTSDを発症してしまいかねません。

トラウマ体験自体を避けるのは難しいですが、PTSDを発症する前にトラウマを解決できる可能性があります。

普段の生活に影響する程つらいなら、我慢せずに専門の医療機関を受診してみてください。適切な治療を行い、日常生活を少しでもよいものにしていきましょう。

参考文献

子どものトラウマ

PTSD(厚生労働省)

5.交通事故の被害者にみられる精神疾患

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