耳介軟骨膜炎の前兆や初期症状について
耳介軟骨膜炎の初期症状としては、耳の外側に痛み、腫れ、熱感などが挙げられます。耳介の皮膚が赤くなり、触ると痛みが増すことがあります。
炎症が進むと、耳全体が赤く腫れ上がり、耳の形がぼやけるほどに腫れが広がります。最終的には、耳介が硬化して「カリフラワー耳」と呼ばれる形に変形することがあります。再発を繰り返した場合に生じやすいのが特徴です。
また、炎症が外耳道や内耳に広がると、耳鳴りや耳の詰まり感、難聴が生じることもあります。こうした症状が見られたら、早めに治療を受けることが重要です。
耳介軟骨膜炎の検査・診断
耳介軟骨膜炎では、問診・視診・触診の基本的な診察に加え、感染が疑われる場合は原因菌を特定するための細菌培養検査が行われます。また、必要に応じて画像検査を行い、軟骨や炎症の状態を確認します。
耳介軟骨膜炎の原因として、再発性多発性軟骨炎などの自己免疫疾患が疑われる場合は、必要に応じて血液検査も行います。
問診・視診・触診
はじめに、問診で発症のきっかけや症状の経過、外傷や感染症の既往歴について確認します。視診では、耳介の腫れ、赤み、痛みの強さ、炎症がどの範囲に広がっているかを観察します。触診では耳介を軽く触れ、腫れや痛みの範囲、硬さなどを確認します。
細菌培養検査
耳介に膿がたまっていて、感染が疑われる場合は、患部から一部を採取し、細菌培養検査を行います。
細菌培養検査は炎症の原因となっている菌を特定できるため、適した抗生物質の選択や治療法の決定に役立ちます。
画像検査
変形が重度の場合や再発性多発性軟骨炎にともなった耳介軟骨膜炎の場合は、画像検査を行うことがあります。
主にCTやMRIを用い、耳介の軟骨や周囲組織の炎症や損傷の程度を確認します。
血液検査
耳介軟骨膜炎が再発性多発性軟骨炎などの自己免疫疾患が原因である可能性がある場合には、血液検査が行われます。
「CRP(炎症が起こると血液中に増えるタンパク質)」や「ESR(別称、赤血球沈降速度といい炎症のレベルがわかるもの)」、抗体の数値を確認し、体内の炎症の程度や自己免疫疾患が影響しているかを調べます。
配信: Medical DOC