「耳介軟骨膜炎」の前兆・初期症状はご存知ですか? 特徴を併せて医師が解説

「耳介軟骨膜炎」の前兆・初期症状はご存知ですか? 特徴を併せて医師が解説

耳介軟骨膜炎の治療

耳介軟骨膜炎では主に薬剤による治療が行われます。ただし、症状の程度によっては切開手術が必要になるケースもあります。

薬物療法

細菌感染が疑われる耳介軟骨膜炎に対しては、フルオロキノロン系やペニシリン系の抗生物質が処方されます。内服薬や外用薬の抗生物質を使うことで、原因菌の死滅や増殖の妨害を図ります。

抗生物質の投与期間は、炎症の程度によって数日から数週間にわたることが一般的です。効果的に感染を抑えるために、医師の指示通りに服用を続けましょう。

痛みが強い場合には、抗生物質と合わせて抗炎症薬や鎮痛剤も併用します。また炎症が強い場合には、ステロイド剤が処方されることもあります。

自己免疫疾患が原因で耳介軟骨膜炎が引き起こされている場合は、免疫抑制剤が使われます。免疫が耳介の軟骨を誤って攻撃しているため、免疫抑制剤を使用して過剰な免疫反応を抑制することが目的です。

切開による膿の排出

耳介軟骨膜炎が進行し、膿が溜まっている場合は、切開して膿を排出します。切開したあとは、膿を外に排出する管(ドレーン)を挿入し、耳介内に再び膿がたまらないようにする場合があります。また、抗生物質も服用し、細菌の死滅や増殖防止を行います。

耳介軟骨膜炎になりやすい人・予防の方法

ピアスを使う人や、よく耳を触ったり掃除したりする人、また格闘技やラグビーなどの接触が多いスポーツをしている人は耳介軟骨膜炎を発症する可能性があります。
これらの要因により耳介に傷がつき、細菌が侵入しやすくなります。そのため、ピアスの装着を避ける、耳をできるだけ触らないようにする、スポーツの際は耳の保護具をつけるといったことが第一の予防策となります。

ピアスを装着する場合は、ピアスが清潔かを確認したうえで、耳に傷ができないように注意することが重要です。
ピアスの穴を開けた直後や耳に小さな傷ができた際はとくに注意しましょう。

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参考文献

National Library of Medicine「Perichondritis: Not All Ear Pain Is Otitis」

J-Stage「両側耳介軟骨炎から診断した再発性多発軟骨炎の1例」

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