「鼻ポリープ」を放置するとどうなる?症状・原因・セルフチェック法も医師が解説!

「鼻ポリープ」を放置するとどうなる?症状・原因・セルフチェック法も医師が解説!

鼻ポリープの原因

鼻ポリープの原因について、以下で解説していきます。

慢性的な炎症がある

鼻ポリープの原因のほとんどが慢性副鼻腔炎です。長期間の鼻や副鼻腔の炎症が粘膜を腫らし、ポリープを引き起こします。症状としては、鼻づまり、嗅覚の低下・異臭、黄色い鼻水、後鼻漏、頭痛や顔の痛みなどが現れることがあります。
これらの症状が長引く場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。受診時には、症状が始まった時期や悪化する状況を伝えると診断に役立ちます。治療には薬物療法や鼻洗浄が行われ、必要に応じて内視鏡手術が検討されます。痛みが強い場合や顔の腫れがあるときは、早急な診察が必要です。

アレルギー

アレルギー性鼻炎のある人は、アレルギー反応による炎症が原因で鼻ポリープができやすくなります。特に、花粉やハウスダストなどのアレルゲンに繰り返しさらされると、鼻腔内の炎症が慢性化しやすくなります。また、カビへのアレルギーを原因とした特殊な副鼻腔炎と診断されることもあります。
症状には、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、目や鼻のかゆみなどが含まれます。
アレルギーが疑われる場合は、耳鼻咽喉科またはアレルギー科を受診し、原因となるアレルゲンを調べてもらうとよいでしょう。受診時には、どの季節や状況で症状が出やすいかを伝えると診断に役立ちます。治療には、抗アレルギー薬やステロイド点鼻薬が用いられ、アレルゲンをできるだけ避ける生活習慣も重要です。

喘息

鼻ポリープの原因として「喘息」も挙げられます。特にアスピリン喘息や慢性の喘息を持つ方は、慢性副鼻腔炎のなかでも好酸球性副鼻腔炎という診断を受けることが多いです。好酸球性副鼻腔炎では気道と鼻腔の炎症が連動しやすく、鼻ポリープができやすい傾向があります。この場合、喘息発作としての息切れや喘鳴(ぜいめい;ゼーゼー・ヒューヒューする呼吸音)が出ている時期には鼻づまりや嗅覚低下が悪化することがあります。
喘息が関連する場合は、耳鼻咽喉科とともに呼吸器科も受診すると効果的です。受診時には、鼻や胸の症状の経過、服用中の薬について伝えると診断に役立ちます。治療では、ステロイド点鼻薬や吸入薬を用いた症状管理が行われ、アスピリン喘息がある場合は薬剤選択にも注意が必要です。喘息を伴う好酸球性副鼻腔炎では生物学的製剤が有効な場合があります。

鼻ポリープを放置するとどうなる?

鼻ポリープを放置すると、鼻づまりや嗅覚の低下、慢性的な副鼻腔炎が悪化し、生活の質が低下することがあります。また、ポリープができるほどの炎症では自然治癒することは難しく、炎症が続くことでポリープがさらに大きくなり、症状が重くなる場合もあります。
適切な治療がないと悪化しやすいため、症状が続く場合は早めの受診が大切です。

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