「鼻ポリープ」を放置するとどうなる?症状・原因・セルフチェック法も医師が解説!

「鼻ポリープ」を放置するとどうなる?症状・原因・セルフチェック法も医師が解説!

鼻ポリープの検査法

鼻ポリープの診断には、いくつかの検査方法が用いられます。以下で代表的な検査について解説します。

鼻内視鏡検査

耳鼻咽喉科で行う一般的な検査で、鼻内視鏡を用いて鼻の奥や副鼻腔の状態を直接観察します。内視鏡でポリープの位置や大きさ、炎症の度合いを確認できるため、診断精度が高いのが特徴です。内視鏡所見によっては、組織生検といって、ポリープの一部を採取し病理診断に提出することがあります。鼻内視鏡検査は外来で短時間のうちに完了し、入院の必要はありません。

画像検査

鼻ポリープの位置や広がりをさらに詳しく確認するために、CTスキャンやMRIなどの画像検査が行われることがあります。鼻ポリープと見分けがつきにくい良性腫瘍・悪性腫瘍の診断のためにも必要です。鼻ポリープと診断された場合は基本的に必ず行ったほうが良いでしょう。画像検査は外来で対応可能なため、入院は不要で、検査後すぐに帰宅できます。

アレルギー検査

アレルギーが鼻ポリープの原因となっている場合が多いため、アレルギー検査を併せて行うこともあります。耳鼻咽喉科やアレルギー科で、主に血液検査で特定のアレルゲンを確認します。また、血液中の特定の白血球が慢性副鼻腔炎の発症に関わる可能性があるため、確認することもあります。この検査も外来で完了するため、入院は不要です。検査結果に応じてアレルギーに対する治療方針が決まります。

鼻ポリープの治療法

鼻ポリープの治療法は、薬物治療と手術療法が2本柱となります。最近では、デュピルマブなどの生物学的製剤(抗体製剤)も注目されています。

薬物療法

鼻ポリープの治療は、主に耳鼻咽喉科を専門とする病院で行われます。軽度の鼻ポリープの場合、外来で薬物治療が中心となり、通常は入院の必要はありません。鼻の炎症を抑えるためにステロイド点鼻薬や去痰薬、場合によっては低用量の抗生剤が処方されることが多く、経過を見ながら効果を確認していきます。この治療は自宅で続けられるため、通院だけで済むケースが多いです。

内視鏡手術

ポリープが大きく、薬物療法では改善が見られない場合は、内視鏡を使った手術が検討されます。術後のケアとしては、再発を防ぐためのステロイド点鼻薬を継続する場合があり、定期的に経過観察を行います。術後に特別なリハビリはありませんが、鼻洗浄を継続的に行うことが再発防止に有効と考えられています。喫煙している場合は禁煙し、術後の生活習慣には気を配りましょう。

生物学的製剤(デュピルマブなど)

最近では、デュピルマブ・ヌーカラなどの生物学的製剤(抗体製剤)が、鼻ポリープに対する新しい治療オプションとして注目されています。もともと気管支喘息に対する治療薬で、アレルギーに関与する物質を直接的に抑えるお薬です。重症の慢性鼻副鼻腔炎を伴う鼻ポリープに使用され、ポリープの成長や粘膜の炎症を抑え、嗅覚にも良い効果があります。
この治療法は、従来の薬物療法や手術で効果が得られない場合に使われることが多く、投与には専門的な判断が必要です。治療開始時は2週間に1回、自己注射を行う形が一般的です。治療中は定期的に採血やレントゲンなどの検査が必要で、およそ1〜2ヶ月おきに通院が必要な場合があるものの、日常生活に大きな制限はありません。副作用も限定的と良いお薬なのですが、非常に高価なものであるという点で注意が必要です。

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