「鼻ポリープ」を放置するとどうなる?症状・原因・セルフチェック法も医師が解説!

「鼻ポリープ」を放置するとどうなる?症状・原因・セルフチェック法も医師が解説!

鼻ポリープは日帰り手術できる?

鼻ポリープの手術は日帰りで行える場合があります。特に、ポリープが小さく症状が軽い場合は、内視鏡を使った手術が一般的で、局所麻酔での対応が可能です。ただし、鼻ポリープの原因の多くが慢性副鼻腔炎です。日帰り手術では再発する可能性が高いと判断される場合もあります。その場合、全身麻酔が必要な慢性副鼻腔炎の根本的手術治療を選択したほうが良いと考えられることがあります。主治医とよく相談し治療方針を決定しましょう。
内視鏡手術は、鼻から内視鏡を挿入し、ポリープを直接切除する方法で、鼻の外側に傷が残らず、比較的短時間で終了します。全身麻酔による手術であっても内視鏡で行いますが、鼻の奥の骨を削る必要があるため、出血コントロールのため数日〜1週間の入院となることが一般的です。診断や病状に応じて決定していきますので、医師と相談して手術方法を決めるのが良いでしょう。

鼻ポリープの日帰り手術費用は?

鼻ポリープの日帰り手術として、内視鏡下副鼻腔手術Ⅰ型(ポリープ切除)(保険点数は3,600点)などの方法があります。この場合の費用は、保険3割負担で約10,800円です。
それぞれの方の負担割合や、諸費用が追加されるかどうかによって異なるかと考えられますが、大体2万円程度をみておくと良いでしょう。
入院・全身麻酔下での手術の場合は入院の総費用は保険3割負担で10〜25万円程度となり、手術法と行う部位によって大きく異なります。高額療養費の対象になることが多いので、入院前に手続きをしておきましょう。

鼻ポリープの予防法

鼻ポリープを予防するための方法として、以下のようなものがあります。

医師に指示された治療をきちんと続ける

すでに鼻ポリープの治療を受けている方は、その治療を続けることが大切です。ステロイドの点鼻薬には、炎症を抑える効果が期待できます。医師の指示通りに、すべての薬を使うようにしましょう。

アレルゲンの回避

花粉やホコリ、ハウスダストなど、アレルギーを引き起こす物質にできるだけ触れないようにすることで、鼻腔内の炎症を抑える効果があります。喫煙習慣がある場合、アレルギーによる炎症を増悪させる可能性があるため禁煙をおすすめします。睡眠不足や過度な疲労は症状を悪化させるので避けるべきでしょう。また、定期的な掃除や換気で部屋を清潔に保ちましょう。

十分な水分補給

鼻の粘膜を保湿することで、乾燥や刺激から守り、炎症を防ぐ効果があります。こまめに水を飲む習慣をつけ、食事にも水分の多い食品(スープや果物など)を取り入れるとよいでしょう。また、冬場は加湿器を使って室内の湿度を適度に保つことも効果的です。

鼻ポリープのセルフチェック法

それでは、ここからは鼻ポリープのセルフチェック法について解説します。

嗅覚の確認

コーヒーや香水などのはっきりした香りをかいでみて、匂いをしっかり感じられるかチェックします。特に、鼻に違和感があり、嗅覚が鈍っている場合は注意が必要です。鼻ポリープの可能性も考えられます。

鼻づまりの有無

片方ずつ鼻を押さえて呼吸し、どちらか一方が詰まっている感覚があるか確認します。鼻の奥の方や鼻腔の上部で詰まりが感じられる場合、ポリープが原因のこともあります。長引く鼻づまりは要注意です。

鼻水の状態チェック

鼻水が頻繁に出る場合、その色や粘り気をチェックします。透明でサラサラした鼻水が続く場合はアレルギーの可能性があり、粘りが強く黄色っぽい場合は炎症のサインです。鼻水だけで鼻ポリープを疑うことはあまりありませんが、鼻水にくわえて嗅覚低下・鼻づまりがあるようであれば鼻ポリープかもしれません。

「鼻ポリープ」についてよくある質問

ここまで鼻ポリープについて紹介しました。ここでは「鼻ポリープ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

鼻ポリープは自然治癒するのでしょうか?

小島 敬史 医師

鼻ポリープは基本的に自然治癒することはありません。放置すると炎症が続き、ポリープがさらに大きくなる場合もあります。そのため、症状がある場合は早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療を受けることが重要です。特に、鼻づまりや嗅覚低下が長引く場合は治療が必要です。

鼻ポリープは悪性の疾患なのでしょうか?

小島 敬史 医師

鼻ポリープは一般的に良性の疾患で、がんのように悪性化することはありません。ただし、まれではありますが、もともと悪性疾患が隠れていて、ポリープだけ鼻から見えているという場合があります。初期のCT,MRIによる診断が非常に重要となるでしょう。また、鼻ポリープであったとしても、慢性的な鼻詰まりや嗅覚低下によって生活の質が低下します。診断と治療が早いほど症状の悪化を防げるため、気になる症状があれば専門医に相談しましょう。

編集部まとめ

今回の記事では、鼻ポリープの症状や原因、検査方法について解説しました。
鼻ポリープは良性の疾患で、放置してもがんになるなど悪性化はみられません。しかし、鼻ポリープが大きくなると、鼻づまりなどの症状がひどくなり、生活の質が下がってしまうこともあります。症状がある場合には、耳鼻科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

「鼻ポリープ」と関連する病気

「鼻ポリープ」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻科の病気慢性副鼻腔炎アレルギー性鼻炎
呼吸器科の病気気管支喘息

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

アレルギー系の病気アレルギー性結膜炎アトピー性皮膚炎

鼻ポリープは、鼻や副鼻腔の疾患だけでなく、アレルギーや呼吸器の病気と関連することも多いため、全身の健康管理が重要です。

「鼻ポリープ」と関連する症状

「鼻ポリープ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状鼻づまり

鼻水(特に黄色や緑色)

嗅覚低下

頭痛や顔面の痛み

鼻血くしゃみ

喉の違和感

鼻ポリープは鼻炎や副鼻腔炎などの症状と似ています。これらの症状が長引く場合は専門医の診断が大切です。

参考文献

鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版準拠アレルギー性鼻炎ガイド2021年版

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